ある子供の作品情報・感想・評価

「ある子供」に投稿された感想・評価

ちぃ

ちぃの感想・評価

3.7
偶然にもダルデンヌ兄弟監督作が続いている。

若いカップルのブリュノとソニアに子供が生まれた所から物語が始まる。
ブリュノはまともな仕事をせず、街で盗品を売ったりしてその日暮らしをしている。
子供が出来ても男には現実味がなく、どこかフワフワとして上の空。
そんな中、子供も高く売れるという話に飛びつくブリュノ。
そこから坂を転がる様にどん底へと向かっていく。

子供同士の様にじゃれ合う2人が印象的。
子供同士で産んじゃった命。
少女は親として子供を守りたいという想いがあり、未熟で愚かな男に愛想を尽かす。
そりゃそうだよね…

ロゼッタの時もそうだったけれど、作品で描かれている人達は、いわゆるハリウッド映画的な起承転結で片付く話ではなく、映画が終わった後もこの人達の人生がこの先もさほど大きく変わらずに続いていくんだろうなと思わされるリアルさがある。

考えさせられる作品でした。
子供を持つとは大きな責任であり、当然捨てるのにも大きな苦悩が伴う

自分が対象外だからかそこまで胸に刺さるような映画ではなかった

このレビューはネタバレを含みます

ブリュノの過去が全然描かれてないけれど、ブリュノもまともな家庭や愛情がない中生きてきたんだなってなんとなくわかるのがポイントだと思った。

最後、自分から警察に出頭したり、ジミーは元気か訪ねてて、ちょっとだけ「子供」から成長できたのかもしれない。
ある子供とは誰のことなのか。映画内で切り取られている彼の人生の時間ではなく、その前のこれまでの人生を思い考えさせられるような映画でした。

自分で知ろうとしなければ分からないことが「知らなかった」だけで犯罪になる可能性がある。

若いからこその無知や無謀。父親になっても無知のまま。駄目男っぷりに怒りを覚える人も多い作品だけど、俺は怒りは覚えなかった。ただただ純粋に素直に、唯一知らなかったことが罪となった。青く痛みの感じる映画。
caay

caayの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

U-NEXT、スマホアプリでの鑑賞。
ロゼッタを観たあと、ダルデンヌ兄弟作に興味がわき鑑賞しました。

ロゼッタ同様、手持ちカメラ、挿入歌がなく、主人公の生活をそのまま観ているような映画です。
ストーリーがしっかりしていて、引き込まれて一気に見てしまいました。

ブリュノ、馬鹿すぎる…
馬鹿すぎるけど、悪いやつじゃない…
子どもっぽくてかわいいけれど、自分の子どもを売るというすごいことを衝動的にやってしまう。こういうことはままあるんだと思います。
考えが足りず、ぱっとやってしまって、この映画ではあとですごく後悔するのです。
この映画では、子どもを取り返すことができました。でも、もう一歩遅くて子どもを取り返せなかったら?
自分の子どもといっても他人です。実際に人身売買は存在します。これはあくまで映画ですが、ドキュメンタリータッチで、人物たちもリアリテイがあるため、本当にこういうことが起こっているのではと思わされます。

映画のタイトルである、ある子供とは、ブリュノの自身の子供とともに、ブリュノのことの2つの意味があるでしょう。
内容は重いけど、文学的な素晴らしい映画だと思いました。

以下、あらすじです。

盗品を売りさばき生活しているブリュノの元に、彼の子どもを産んだ恋人ソニアが帰ってくるところから、物語がスタートします。

赤ん坊をみて、あなたに似ているわ、洗礼名を考えて、届けを出さなきゃと、育てる気満々のソニア。ブリュノも緊張しながら赤ちゃんを抱き、乳母車を買うなど、若いカップルは初々しいパパママになります。ブリュノとソニアは、ふざけあって追いかけっこをしたり、子どもっぽくも幸せそうです。

ブリュノはいつものように盗品を売りに行くと、買人から子どもを売る人もいると話を聞きます。
ブリュノの暮らしは楽ではありません。ソニアに赤ん坊の散歩を頼まれたブリュノは、思い立ってソニアに内緒で赤ん坊を売ってしまいます。
ソニアに赤ん坊を売ってお金を得た、またすぐ子どもできるよ、と告げます。それを聞いたソニアはショックで気を失ってしまい病院に運ばれます。ソニアの姿を見て、慌てたブリュノは赤ん坊を買い戻します。しかし、一度やってしまったことは無くなりません。ソニアはブリュノを家から追い出し、買人は儲けを失ったとブリュノをゆすります。最終的にブリュノは、盗みを働き、相棒の子どもを庇ったために、警察に捕まってしまいます。

拘置所のブリュノに、ソニアが会いに来ます。ブリュノは、赤ん坊の様子を聞き、泣きはじめます。すごく苦しそうに、やってしまったことを後悔しているように泣き、ソニアの手を取ります。ソニアはブリュノの手を握りかえして頭を撫でて一緒に泣きます。
ykt

yktの感想・評価

3.5
身から出た錆…😑最後に寄り添ってあげた彼女は寛大だと思う。自分だったら絶対に許せないなー
りさ

りさの感想・評価

-
主人公が救いようなさすぎて序盤からいらいらするんだけど、
最後の最後にもらった温もりでポロっと涙が出ちゃうあたり、これが人間だよなぁと思った。
思ってたよりあっさりしてたけど、劇伴がなくドキュメンタリー調に描かれていて引き込まれた。
こーゆう魅せ方もあるんだなぁ

このレビューはネタバレを含みます

定職に就かず、盗みや違法な取引によって生活している青年ブリュノ。彼が彼女であるソニアとの間にできた生まれて間もない赤ん坊を、金に目が眩んで売ってしまったことから彼の人生が転がり落ちる話。
映画の序盤は、題名の「ある子供」は、売り飛ばされた赤ん坊のことを指すのだと考えていた。しかし、ブリュノの幼い言動に焦点を当てた中盤には「ある子供」はブリュノのことであると気付かされ、最後、刑務所でブリュノとソニアが不安と心細さによりしゃくり上げるシーンではブリュノだけではなくソニア、あるいは、子供を持つ親であるこの2人が子供のように泣く姿から、本映画は誰しもに偏在する「子供」の姿を映したものと気づかされる。
香水の香りの変化のように、映画の序盤から最後まで印象が変化していくことにより、「私たちは皆子どもである」というメッセージが自然に伝わるよう技巧が凝らされているようにも思う。
序盤の「子ども=赤ん坊」の既存の概念から、「子ども=大人になりきれないブリュノ」、「子ども=互いに離れた心細さから泣きじゃくるブリュノとソニア」と段階的に客観から主観に移行しており、人によっては拒否反応すら湧くこのテーマが、比較的違和感なく受け入れられるような流れになっている。
幼く、弱く、未熟で、愚かで。「だからこそ」なのか、「それでも」なのか、身を寄せ合って生きていく人間の美しさ、愛おしさが描かれている映画。
ARAN

ARANの感想・評価

4.2
本当に好きだなダルデンヌ兄弟の映画は。
とりあえずクズ男の更生物語なのかな、許されない行為をずかずかとやってたからそんな簡単にソニアも許せないだろうけどゆっくりと償っていけばいい。自分が今まで見たダルデンヌ兄弟の映画は必ずラストに一筋の光が灯すような終わり方だからこの映画もそうなのかな。見る人によって違うだろうなーと思うけれども自分は光だと思う。本当に、好きな監督だわ。エンドロールも緩やかにこれからの2人の人生を乗せて。
なみき

なみきの感想・評価

4.0
切り詰められた装飾のない演出で、先を考えることができずに行動し、次第に行き場をなくしていく青年を描く作品。音楽などを使わない分、何か少しドキュメンタリーじみたリアリティがあり、そんななかで働けず犯罪に手に染め、わが子を売り飛ばすに至るような青年の姿が立ち現れる。フィクションは周縁的な、社会においていかれたものを描き出すときにこそ大きな力がある(少なくともそれはフィクションの持つ力のひとつではある)と私は思っているのですが、そうした力を感じさせる作品でした。
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