誰かが『ダルデンヌ兄弟の映画は観るというより経験するって感じかな・・・』と言っていたが、まさにそんな感じ。
20歳のブリュノは毎日、仲間と盗みをして暮らしている。恋人の18歳のソニアが子供を産んで3人で暮らし始めるのだがブリュノには実感が全くない。盗んだカメラを売りさばくように子供を売ってしまう。ショックを受けて失神するソニアを見て
初めて自分の犯した過ちに気づくのだが・・・。
ここから先はもうスクリーンから、ブリュノから、目が離せない。 息を呑み、ずっと張りつめて凝視していたスクリーンに映し出されるラストの2人の姿には涙が溢れた。そして暗幕。
エンド・クレジットの間、そのシーンの残像が残ってた。
『イゴールの約束』『ロゼッタ』『息子のまなざし』 どれも素晴らしいけど、それをちゃんと評価し続けるカンヌってすごいなって改めて思いました。
静岡シネギャラリーにて。
2006.3/8 (18) 通算870本