たかはしともひと

ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版のたかはしともひとのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

久々に観て、せっかくだから本気でレビューしてみたい

アルフレードとトトの関係性は非常に複雑で、親しい友人であり、同じ夢、仕事を持った弟子、或いは戦友でありながら親子愛を含んだ物である様な気がする。
恐らくトトの人生の幸せを1番理解する事が出来ていたのはアルフレードであるはず。
アルフレードは自分の人生の後悔と残りの情熱をトトに注いで生きていた様に思える。

あれほど心を燃やした恋愛を断ち切る事はトトの幸せにとって最良か、が非常に悩ましい。
エレナと暮らしている未来も幸せの一つの形であり、例え愛や情熱がゆっくりと消えていったとしても、平穏な幸せはそこにあるのでは、と思う部分もある。しかし、トトの幸せはシチリアの片田舎の村にはもう転がっていない。望郷を断ち切る事で、アルフレードはトトの幸せの為に自分が出来る最大の事をしたに違いない。お前とは話さない。お前の噂を聞きたい。という言葉は母やエレナは口にする事が出来ない。アルフレードにしか言えない。
アルフレードの愛はトトに望郷の念を断ち切る事で完成した。

30年の月日が流れると、郷愁は弱さではなく、強さに変わるのだろうか。
母の愛は非常に強烈で、誠実で孤独だった。
エレナとの再会は、進んでいく年月で捨てた物を取り戻せたのだろうか。
故郷はこれからのサルヴァトーレの人生に
必要なことを改めて教えてくれた。



完全版のエレナのシーンは個人的に必要不可欠。
エゴだけどサルヴァトーレの人生にとって過去の大恋愛が故郷のフィルムの欠片と共に焼き付いていて欲しい。
たかはしともひと

たかはしともひと