ともさん

ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版のともさんのレビュー・感想・評価

4.5
ニューシネマパラダイス
イタリアのシチリアの小さな村にある映画館を舞台に、映画に魅了されたトト少年と、映写技師アルフレードの、映画を通じ、年齢を超えた友情を、モリコーネの美しく切ない音楽とともに描く。
この映画は、映画史に残る名作ですね。
映画が好きで好きでたまらない少年トトを、サルバトーレ・カシオ君が演じていますが、本当に、笑顔が、愛くるしく、可愛いです。映写技師アルフレードには、フィリップ・ノワレです。実に味わいのある風貌ですね。
トト少年は映画とアルフレードが好きで、映画館に入り浸りの毎日でした、アルフレードもトトの事が自分の子供のように可愛く思っていたのですが、自分と同じ仕事はさせたくないと思い映画館には来るなと言いますが、トト少年は懲りずに来ます。本当に映画が好きだったのですね。
ある日、映画館に人気の映画が来て、映画館に、入りきらない人のために、アルフレードの粋な計らいで、広場の壁に映画を映し出してあげたのですが、不幸にも、目を離した時に、映画館が火事になってしまい、アルフレードは、この時に目を失明してしまいます。アルフレードも映画と映画を楽しみに見にきてくれる、客を愛していました。
その後、映画館は、サッカーくじで大当たりした男が、再建し、映画技師にトトがアルフレードの後釜を学校に通いながら務めます。トトは映画館で働く中、恋愛もしますが、あることから、その彼女とは、行き違いになり、二人は、分かれてしまいます。
アルフレードの勧めもあり、トトは傷心の内にローマに渡り、そして、30年後、今や、名映画監督となった彼は、アルフレードの死亡の報を母から聞いて、故郷であるシチリアに帰って来ますが、懐かしい映画館は、客が減り、近く取り壊されるとのことでした。葬儀の日、アルフレードの奥さんから、預かっているものがあると、渡されたものは、トトが大人になるまで保管しておくと言っていた、映画のキスシーンの断片をつないだ映画だった。彼は、それを見ながら、自然に涙するのであった。
アルフレードは、父のいないトトを、父のように見守り、学校を辞めて働くと言うトトを叱り、勉強の必要性を教え、トトの映画に対する情熱と才能を見抜いていたアルフレードは、こんな小さな村にいたらダメだと、ローマにいくことを勧め、行ったら帰って来るなとさえ言い放ちます。大好きなトトに言うのは、本当に辛かったでしょう。
名監督となったのですが、彼の心には、失いかけていたものがありましたが、フィルムの断片を見ながら、アルフレードと一緒に過ごした時間が、走馬灯のように駆け巡ります。失いかけていた、映画を愛する気持ちが、蘇るのでした。
ともさん

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