『時計仕掛け…』そのまんまじゃん。
『時計仕掛けのオレンジ』のマルコム・マクダウェルが、コーヒーのセールスマンから大金持ちの秘書になるも、転落して…というなんだかわけのわからない不条理劇。
そう、まさに不条理。
でも、最初のエピソード、交通事故を見かけた警察官が「見なかったことにしろ」と脅迫して事故ったトラックの荷物をネコババするあたりは、荒廃したイギリスを見せてくれるようで不条理というよりは風刺劇という感じもしたりして。
ビデオショップUFOの町山智浩氏の解説では「『時計仕掛けのオレンジ』のアンチテーゼ、正反対の流れ』と言っていたけど、アンチテーどころか、そのまんま、そっくりじゃないのかな。
「残念なことに」と言うか、「やっぱり」と言うか、マルコム・マクダウェルの笑顔は、純真なお人よしのそれには見えず、『時計仕掛けのオレンジ』のアレックスのものと同じように見えてしまいました。
そうそう、『シャイニング』のジャック・ニコルソンのようにも。
もし、時代が許せば、マルコム・マクダウェルはホアキン・フェニックスのかわりにジョーカーが演じられたんじゃないかなとも思いました。
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