家庭も仕事も満足だが不倫をしている眼科医。
記録映画の監督はわがままな俳優にふり回されながらも、心の支えは彼女のみだが。
この二つの箇所が交互に描かれるが、重罪と軽罪の邦題が示すように、それぞれの罪が描かれる。
中でも前者の不倫相手を殺そうと試みる姿勢は、いつものウディ・アレン節にしてはかなりシニカルな毒気が含まれている。
終末は人間の正当性を求めようとしてくる辺り、いつもと違う毛色が新鮮だ。
キャストの中ではマーティン・ランドーの悩める男が興味深い。
しかし折り合いをつけるのが人間という姿をきっちり見せるところは、人間の一部分でもある。