よどるふ

学生ロマンス 若き日のよどるふのレビュー・感想・評価

学生ロマンス 若き日(1929年製作の映画)
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同じ女性に懸想をしたふたりの男を描くラブコメディ。小狡い手も使う軽薄な男と、生真面目な男、それぞれのキャラクターを立たせる手数が多い。序盤はふたりが同じ女性に惚れていることを互いに知らない状況で話が進むシチュエーション可笑しい。

ペンキ塗り立てギャグ(ペンキ塗り立てのところに身体の一部をそうとは知らずに接触させて汚れてしまう)って、もうこの頃からあったんだと思うなど。本作では、その「ペンキで汚れた状況」をしばらく転がすのがユーモアを感じるポイント。

舞台がスキー場へ移ると、恋のバトル(といっても、微笑ましいものだが)が始まる。しかしやがて、後景にある同級生たちとのどんちゃん騒ぎが前に迫り出してきて、やがて恋愛の件は画面から薄らいでいく。スキー場パートの最後で、ふたりの男の背中を映すカットが印象的だ。
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