このレビューはネタバレを含みます
2008年に映画館で観た衝撃は忘れられない。
一人称視点でのパニック映画。怪獣にマンハッタンが襲われたその一夜を偶然一般市民が記録していたという設定。
また、主人公のロブが撮ったベスとのデートの記録に、うっかり兄貴が上書きしながら撮ってしまったため、ロブやベスたちに降りかかる不幸の合間に、かつての二人の幸福な時間が挿入されながら物語は進む。
たまたま居合わせた一般人という設定だけど、節々の台詞や映像が、伏線として後でしっかり回収されていて、ストーリーも面白い。
あの怪獣は何なのか、なぜ現れたのか、なにも語られないまま、あくまでそんな偶然の産物の記録に終始するこの映画は、怪獣モノ×POVという新しい切り口もそうだけど、宣伝も凝っていた。
この映画の世界で石油プラントがテロリストに襲われる事件が発生したという設定のニュース映像が、YouTubeにあげられていたり、またそれに関わるとされる謎の会社のホームページが開設されていたり‥。
今のようにサクサクと動画が見れるような環境じゃなかったが、とにかくぼくはこの映画について夢中になって調べた。映画の世界が現実の世界に浸食してくるような感じがすごく不気味で、楽しかった。
もう12年も経ち、続編は2作も作られたが世界観が共有されているかも怪しいほど関連せず、何のなぞも明らかにはなっていない。