Takumu

キリング・フィールドのTakumuのレビュー・感想・評価

キリング・フィールド(1984年製作の映画)
4.4
臨場感に震える。

1975年カンボジア、“赤いクメール”内乱時にニューヨーク・タイムズのカンボジア特派員だったシドニー(サム・ウォーターストン)と通訳兼助手のプラン(ハイン・S・ニョール)の壮絶な体験を忠実に再現。

セットではない現場&訓練された現地人のエキストラによる超リアルな戦争体験記。当時はまだカンボジアで撮影できる状況じゃなかったため、ロケ地はタイでエキストラもタイ人だそうだけど誰も気づけないよ。本編では、英語のセリフよりも現地語のセリフの方が多いのに一切字幕がつかないため、まるでその場に居合わせているかのような感覚に陥る。特に、ゲリラに拘束されて殺される寸前のシーンの緊迫感には心臓が飛び出そうだった。爆撃の迫力も凄かった。演者の真横でガチ爆破してるし、昔の撮影はぶっ飛んでるなぁ。

この作品はR・ジョフィ監督の長編第1作らしいんだけど、2作目の「ミッション」が非常に良かったため鑑賞。ちなみに、「キリング・フィールド」はアカデミー賞3冠、「ミッション」は1冠&パルムドールを受賞している。「キリング・フィールド」のマルコヴィッチ、「ミッション」のリーアム・ニーソンといい、ブレイク前夜の大物俳優が見れる。

この作品でアカデミー賞助演男優賞を受賞したH・S・ニョールは、実際のカンボジア難民で演じた役のプラン同様にゲリラに捕まって強制労働を受けた経験がある。演技など初めてであったため初めは出演を断っていたが、祖国のためという理由で承諾したそう。見事な演技だった。

プランが世話になる赤いクメールの幹部が大川隆法に見えて仕方なかった。

正義と友情に涙。
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