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恐怖の報酬のUCOCOのレビュー・感想・評価

恐怖の報酬(1953年製作の映画)
3.9
開始3分あたりから既に映画館の中におじちゃまのものと思われるイビキが響き渡っていて、それがどうしても気になった私は発信源がどこなのか知るために後ろを振り返ったはいいものの、後ろに座っていた人が私の頭が一瞬浮いたせいで首を傾げてきたのでもはやそのイビキより自分の行動が迷惑になっちゃってるのではと考え込んだ末にとうとう発信源すら突き止めることも許されない状況下で地獄のデスドライブを見守る運びになってしまった。

トラックに乗るまでが長いこと長いこと。やっとのことトラックに乗って、腐った木の上でアタフタするあたりからようやくストーリーにエンジンがかかって大感倍速で物語が進んでゆく。

劇中でも言われてた通り、ジョーが最初はアル・カポネさながらのキザ男のくせしてどんどん風船から空気が抜けるみたいにふにゃふにゃのおじいちゃんになるのもはや愛おしすぎて、彼の最期は少し胸が痛む。
トラックの中では足に添え木が巻かれてたけどそんなの意味ないだろってくらいドブから引き上げられたときの彼の足はぐちゃぐちゃに見えた(もはや膝から下無くなってた)ので本当に可哀想。友人<トラック(金)の思考になっちゃってるマリオには嫌悪感しか抱けん。マリオがジョーを殺したと言っても過言ではない!

あの2人が吹っ飛ぶのは予想出来てたけどあまりに突然のことすぎて、本人たちからしたら「やば」と思う瞬間すらなかったんだろうなとか考えちゃうとしっかり"恐怖"。
直前で岩吹っ飛ばしてみんなで一致団結意気揚々としてたのに、まさかのその直後に吹っ飛ぶなんてあのくだりに要した時間を返せ。
あくまでも吹っ飛んだ2人はジョーとマリオがゴールに辿り着くための補佐要員でしかなかった訳だな。。(そんなの最初から予想出来るけど)

監督が観客に緊迫感を味あわせようと必死だったのひしひしと伝わってきたけど、見てる分にはそこまで緊張もしなかった。

ジョーの分まで金もらっときながらあんだけおバカ走行しちゃうマリオとか、そもそもあの大火災を運んだ危険薬物で鎮火できるのかとか、、見てる最中から見終わった後まで「は?」に次ぐ「は?」の嵐だったけどそんなことどうだって良くなるほどには面白い映画だった。

ラストのトラックが崖から落ちるシーンは、迫力すごすぎて爽快。
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