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ぼくの好きな先生のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

ぼくの好きな先生(2002年製作の映画)
2.5
【本当に先生のこと好きかい?】
早稲田松竹のニコラ・フィリベール特集に行ってきた。早稲田大学の学生さんと思しきカップルがデートで観に来ていてオシャレだなと思いつつ『ぼくの好きな先生』を観たのであった。

昨年、東京国際映画祭で上映された『小学校~それは小さな社会~』もそうだが、学校ドキュメンタリーを観ると、その年でその指導は厳しすぎるのではと思うことがたたある。本作は邦題が『ぼくの好きな先生』とついているが、観ているとどうも「好き」といわされているように思ってしまう。定年間際のロペス先生に着目したドキュメンタリーなのだが、とにかく淡々とドライに生徒と向き合っていく。絵が完成できない生徒に対して、外に遊びに行かせず「約束だろ、絵を終わらせるんだろ」と圧をかける。また選択肢が多いように見せかけて一択しかなく、それを自分から選ばせていくパワハラ上司がよく使う手法も垣間見える。なので、どうもこの生徒たちは先生のこと特に気にしていないだろうし、好きだとは思っていないんじゃないかなと感じてしまうのである。ニコラ・フィリベール監督は『音のない世界で』における子ども描写もそうだが、大人の患者には優しい眼差しを向けるが、子どもには厳しい気がした。これは面白い発見であった。
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