蓮實重彦も激推ししていたように、ジョンウェインとドナリードの瑞々しくもあり儚くもあり官能的なアクションをずっと見ていたい。ジョンウェインが照れ隠しで「様子を見に来ただけだ」とダンスパーティに現れてドナリードと踊り、会場から外れ、外に出たと思ったら2人を照らすライティングは闇に落ち、ハンモックに座り横ならびツーショットに移行する。その後2人は引き離されてしまうがその間際、フィックスで捉えられたドナリードが帽子をジョンウェインに向かって投げ渡す、こんな興奮と感動に満ちたカットが映画の歴史に存在していたことに思わず笑みを漏らした。また、フォード的主題のテーブルでドナリードが1番の上座に座らされ、男6/女1もしくは隊員/看護婦の分断がなされた後、ジョンウェイン以外の隊員はその空間からいなくなり2人きりになった途端、カメラは2人を背中越しに捉え、ジョンウェインがドナリードの肩にそっと手を回し横並びになるかのようなアクションを覚える。そして2人は寄り添って立ち上がり闇に落ちる、カメラは2人の顔をアップで映したりはせずそっと背中から追いかけるだけだ。フォード御代に心の中で拍手喝采を送りたい
