このレビューはネタバレを含みます
20区は、パリの中でも比較的
移民が多く、教育に関心の薄い移民の子供や、
言葉は話せるが、書き言葉などに問題の
残る生徒が通う学校(zep)が多く存在するらしい。
それぞれに問題を抱える生徒が
クラスにいて、でも2時間の映画の中で
彼らの問題はどれも解決しない。
スレイマンは退学を免れなかったし
中国人の子の母親の強制送還についても、
ラストシーンの彼女についても、
ほぼ何も。
現状は変わらないし、彼ら彼女たちは 生活を続けるしかない。
楽観や希望を必要以上に持たせない
映画のとり方を好ましく思った。
植民地時代の移民の多く暮らすフランス
だからこそ、日本の教育事情とはまた
違った難しさがあるのだな、と考える
きっかけになった。