パリ20区、僕たちのクラスの作品情報・感想・評価・動画配信

「パリ20区、僕たちのクラス」に投稿された感想・評価

上旬

上旬の感想・評価

3.7
【第61回カンヌ映画祭 パルムドール】
フランソワ・ベゴドーが実体験に基づいて発表した小説『教室へ』の映画化。フランソワ・ベゴドーが脚本に参加、主演もつとめた。24人の生徒たちは実名でキャストされ、全員演技経験のない素人たち。アカデミー外国語映画賞にもノミネートされた。

まるでドキュメンタリーのように自然で緊張感がある。アメリカ以上に人種の坩堝であるフランスという国を象徴する作品と言えるだろう。

職員会議にクラス代表として生徒が参加していたり、先生同士が激しく議論するというようなのはさすが民主国家フランスだなという感じ。

ただそれが必ずしもいい方向に行くとは限らない。それは後半の展開で明白だろう。

あとフランス語をやっていたときに知ったのだが、フランスではフランス語の文法をかなりしっかりと学ぶという。日本の国語とは全く違う。日本の国語は本の一部を抜粋して読ませたり、古文に時間が割かれるが意外と「文法」はやらないよね。そこが違うと改めて感じた。

正直な感想としては、絶対先生なんてやりたくない!
[似非ワイズマン・モキュメンタリー] 30点

2008年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品、パルムドール受賞作品。フランス映画としては1987年の『悪魔の陽の下に』以来21年ぶりの受賞。外国人の多く住むパリ20区の高校でフランス語を教える若き教師フランソワの1年を描いている。雰囲気はマリア・シュペト『Mr. Bachmann and His Class』に似ているが、本作品はドキュメンタリーではないようだ。この二作とも生徒たちの年齢はほぼ同じくらいのはずだが、場所の違いなのか、授業風景はほぼカオスに近い。生徒たちは質問という名の難癖をつけて授業を遅延させ、注意されてれても周りの生徒との話を止めず、勝手に喧嘩を始めるなど、さながら動物園のようだ(ほぼ同じことを作中で別の教師が言ってる)。『Mr. Bachmann...』はカメラの存在で生徒たちを借りてきた猫みたいにしてしまったんだろうかと思えるほど、本作品の生徒たちは様々な問題を抱えていて、それを他人とぶつけ合う。ただ、テーマが色々ありすぎてぶつけ合うだけ終わってしまい、"これが現実だ!"みたいな感じになってるのがなんかヤだった。モキュメンタリーでこんなの撮るくらいならドキュメンタリーとしてギリギリのラインを攻めていただきたいですね。それでも本作品における教師たちの会議は面白い。生徒たちに"仏の顔"ポイントをあげて、なんか違反したら減点しよう→それなら良いことをしたら加点しよう→めっちゃ点数貯めてドカンとヤバいことするやつが出るのでは?など。全体的に距離感を間違えたワイズマンみたいな感じだった。あまりのつまらなさに、見えない誰かに向かって"倍速で観ていいですか"と訊いてしまった。劇場で観てたら途中で出てたと思う。

よくよく調べてみると、主演のフランソワ・ベゴドーが自身の教師体験を脚本にしたらしい。教師も人間なんだぜ的な生徒との言い争いで、自分だけ保身に走ってる感じが非常にグロテスクだったのはそういうことだったのか。
ドキュメンタリー映画みたいな。

教師の気持ちもわかるし生徒の気持ちもわかる。スレイマンの教師は生徒に復讐したいんだろ、という気持ちは特に。

教師だって人間。生徒は言いたいことを言っても怒られるぐらいで済むが、教師はそうはいかない。生徒という立場は守られている以上、ある種卑怯だ。
Karin

Karinの感想・評価

-
生徒たち演技経験ゼロらしい、そんなこと感じさせないくらい自然な演技が圧倒的
それもあってかリアルを見た感じがして、生徒の方にも教師の方にも感情移入できる
lu

luの感想・評価

3.6
カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したそう。
これはとても意義深い作品なのだろう!と期待して観たのですが、理解しきれなかった場面が多くありました。フランスの教育や移民に関する背景知識が必要だと痛切に感じました。

それもあってか、正直少しストレスを受けました。
ドキュメンタリーのように撮影されているのですが、教室のガヤガヤしたところとか、生徒から先生、生徒同士、先生から生徒への態度の端々が気になって、自分もその教室にいるように感じたからです。

ただ、フランスの教育の問題意識とかを考えるのにはとても良質な作品だったのだと思います。
原作『教室へ』も読んでみようと思いました。

【教室の多様性に関して】
教室にはあまりにも多様な生徒たちで溢れていて、文化的背景、信仰宗教、言語などまさに異文化が共存してました。
名前や宗教、人種などで口論になることも多かったです。
日本では異文化理解とか異文化交流とか言われてるけど、日本で本当に異文化交流することはできないんではないかと思いました。
インターナショナルスクールにおいてもです。

【以下驚いたこと】
・中国人のウェイが騒いだりバカなことを言うことを恥と思わないのかと言った時、先生が規律と恥を間違えてないかと返答したこと
・教員が生徒の成績や処罰を話しているところへ、生徒がクラス代表で出席していること
・ウェイが国へ強制送還されるかもしれないとなった時、教師たちが彼がフランスへ残れるようにカンパしていたこと。(→これほど個人的なことに教員が介入できるんだなと)
一人旅

一人旅の感想・評価

5.0
第61回カンヌ国際映画祭パルム・ドール。
ローラン・カンテ監督作。

パリ20区の公立中学校を舞台に、さまざまな問題を抱えた生徒と向き合う国語教師の姿を描いたドラマ。

フランソワ・ベゴドーの2006年発表の小説「教室へ」を映像化した作品で、主演もベゴドー本人が務めた意欲作。役者素人とは思えないほどの熱演で、問題行動の絶えない生徒たちと真剣に向き合う国語教師フランソワを演じる。ドキュメンタリーテイストの濃い作風であり、手持ちカメラによる撮影が一層のリアリティを生んでいる。

世界各国からの移民が増え続けているフランスにおけるリアルな教育の現場を写実的に映し出した作品であり、明確なストーリーが存在しないにも関わらず圧巻の迫真性を保ち続けているため一瞬たりとも目が離せない。

映画の大部分が授業中の教室風景なのだが、まず最初に目に付くのは余りにもバラバラな出自・個性を持った生徒たち。白人・黒人・混血・アジア系と人種もバラバラで、キリスト教・イスラム教・仏教と信仰する宗教もバラバラ。さらにフランス出身者だけでなくアフリカ出身・カリブ海出身・中国出身とその出自もバラバラ。生徒が抱える事情もそれぞれ違いがあり、前の学校を退学になり転入してきた者や、母親が不法滞在で検挙された者、授業態度が著しく悪い者、教師に対する言葉遣いを知らない者、感情的で暴力的な者など、生徒という言葉一口で括れないほど個性の幅が異常に広い。そんな生徒ひとりひとりに真剣に向き合う国語教師フランソワ。いくら注意・指導しても一向に事態は改善されない。学級崩壊寸前の状態が延々と続く。

日本の教室風景とはずいぶん違いがある。日本の場合、画一的な教育方針がある程度通用する環境にあると思うのだが、フランスの場合、出自を含め生徒の個の違いが激しい分、生徒それぞれに合わせた教育上の考慮がより一層必要とされる。それぞれの個が明らかに違う20名以上の生徒を束ねることは至難の業であり、当然のことながら思うように授業がいかないことに対する苛立ちが教師間で噴出する。暴力的行為を働いた生徒に対し、懲罰会議を開催して強制退学に追い込む。それはある意味、手なずけられない生徒に対する教師側からの敗北宣言とも言えるし、問題児は退学させれば万事OKという短絡的で無責任な思考が蔓延することにもなる。もちろんそれは生徒側にも問題があるわけで、“分かり合えない”ことに対する教師と生徒、お互いが感じるもどかしさや苛立ち、失望が教室の雰囲気をどんどん悪くしていく。まさに混沌。解決の糸口が見えないフランス教育現場の実情が綺麗事抜きにありのまま映し出される。

それにしても教師と生徒の関係をこれほどシビアでリアルなアプローチで描いた点が新鮮。教師映画には『いまを生きる』(1989)や『陽のあたる教室』(1995)など名作が数多いが、その多くの作品で生徒は最終的に従順で良い子になる。だからこそ、教師と生徒の間で“分かり合えた”という感動が生まれるわけだが、現実ではそう上手くいかないケースがほとんどでしょう。本作では、最後まで教師と生徒が真に分かり合う瞬間は訪れない。むしろ、意図的に問題を残したまま終幕する。無数の個・無数の価値観が渦巻くフランス公立中学における教育の限界を浮き彫りにした秀作。
【人はなんで考えるのか:西谷修の結論】

「人は、なんで考えるのか。で、なぜ理解しようとするのか。「それは、ノウハウを探すため」といわれる。もちろん、それもあります。けれども、どうしていいか分からない状態で、足元をどう確かめるかっていうことで、考えるわけですよね。そうすると、答えがすぐに出なくても、答えをこれから作っていく足場を作る。それが、考えるっていうことのね、一番重要な役割だと僕は思います。」

→俺なりの意訳:「答えを出すために考える」ことよりも、「答えが要求されたときにそれをその都度適切に作って供給できるように、自明過ぎて忘れられがちな、前提されていること(=日常性に埋没した判断済みの諸価値)を明記しておくために考える」ことのほうが実は重要である。
まろ

まろの感想・評価

-
笑って怒って泣いて
「アンネフランクに比べたら私の人生なんておもしろくない」
クロ

クロの感想・評価

4.0
学校現場で起こるトラブルを淡々と描いた作品。フランスに多様な人種が共存するからこその教育現場だなとも思うしそのトラブルもフランスならではな感じがするけど、教師の大変さ、教育現場の難しさはどこの国でも一緒なのだなと思えて胸がいたくなる。
「死ぬまで観たい映画1001本」686+104本目

教室内のシーンがずっと続く。

この手の学園物にある嘘くささがなく良かった。

一方で大きな出来事もない。

まあそもそも学校なんて、そんなに大した事は起こらないか。
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