007マラソン9本目
前作と比べて観光映画的側面があることで従来の007に戻りつつありながら、ミジェット俳優やペッパー捜査官、ドジだけどキュートなボンドガールそしてなによりカースタントに間の抜けたSEを当てるといったエンタメ方向での突き抜けが目立った。
何より本作を引っ張る要素はクリストファー・リー演じる敵役とボンドの鏡像関係にあると思う。
秘密の兵器、ガジェット付きの特別な車、紳士ぶる態度、魅力的な女性との逢瀬…こうした共通点を持つ者同士の戦いから本作は「ボンド対ボンド」とも言える。
そして上記の表層的共通点だけでなくて殺しに快感を覚えている内面的な部分でも我々は同類ではないかというスカラマンガの問いかけを否定するボンドを描くことで両者の決定的差異を見せ、その後決闘が始まる展開も良かった。
原語・字幕で鑑賞。