ヘソの曲り角

審判のヘソの曲り角のレビュー・感想・評価

審判(1963年製作の映画)
3.5
久しぶりに「わからん」としか言いようがない映画を見た。2時間がどんどん引き伸ばされていくかのような途方に暮れる映画体験。「わからん」という映画でいいんだろうけど、にしたってもうちょっと惹きつけられる中盤であってほしいような。訳わからん前提のうえで登場人物が増えていって抽象的になって関係性も捉えづらくなっちゃって、もう何見てんだか途中全然分からなかった。ショック。でも最後はウケたな。ブニュエルの遺作みたいに境地に達するとみんなアレやるのかね。最高よ。

まあカフカだしこんなもんだと思って見たが想像以上にしんどかった。色々分析はできそうなんだがとりあえず映画冒頭の指示通り"悪夢"だと思って見るほかない。

ただただ鮮烈なイメージだけが120分延々と続いていく恐ろしい映画。映像はひたすら良すぎる。アンソニー・パーキンスがドンピシャの配役。ジャンヌ・モローとかロミー・シュナイダーとか色々。女性がもれなく魅力的なんだが結局女性に惹かれてうんたらかんたらする話にもなっててすげー冷めた、ってのもあるかも。あとずっとディストピア版8 1/2だなー、と思ってたんだが公開年同じでビビった。