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名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)のJeffreyのレビュー・感想・評価

3.5
「名探偵コナン 銀翼の奇術師」

本作は2004年に制作された劇場版第8作目で、この作品は中学1年生になって見た作品である。この作品のアフレコに応募したのだが残念ながら外れてしまったと言う記憶も残っている。残念なのはこの作品から児玉監督から山本泰一郎に変わっており、個人的にはここから少しばかり不安定な劇場版が続いたと言う感じがする。しかしながらその後の水平線上のストラテジーや紺碧のジョリーロジャー、11番目のストライカーなどを鑑みると、まだ銀翼のマジシャンは面白いと感じてしまう。と言うのも怪盗キットが出ているからだろう。それとジョディ・フォスター主演のフライトプランと言う映画も同じ位の時期に公開されているので、飛行機内がパニックになって墜落すると言うハリウッド映画さながらの演出は良かったと思う。

世紀末の魔術師以来数年ぶりに怪盗キットがメインキャラクターとして登場する作品で、魔術師と奇術師として紹介されていた。この作品の画期的なところは、工藤新一が思いを伝えるのではなく毛利蘭自身が工藤新一に思いを伝えると言う事が行われているところだ。というのも飛行機が落下して生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされたからだろう。それからオープニングの怪盗キッドのCG場面もなかなか凄いと思われる。それから麻酔銃が初めて妃英理に刺さったと言う珍事件が起きた作品でもあるし、最初にしてこの作品が最後のまま妃英理を演じているコナンが見れる唯一の作品である。私の記憶が間違ってなければ、原作にもそのようなものはなかったような気がする。それから怪盗キッドの変装はお決まりだが、〇〇に化ている分、名探偵コナン以外の関係者と大いに絡んでいる唯一の作品でもある。

そして今回のアガサ博士の発明品であるアイテムでどこでもボール発射ベルトが大いに活躍されている。この作品も中学1年生と小さいながらに覚えた言葉があったというか人物名だが、ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネとナポレオン・ボナパルトだ。特に人生に役立ってなかったが。そしてこの作品から原作のオープニングで色々と音楽提供していた愛内里菜が初めて劇場版のエンディングに起用された作品でもある。愛内里菜「Dream×Dream」である。確か彼女は今音楽活動はやめてペットのショップ店員やってたんじゃなかったかな?違かったら申し訳ない。銀翼のマジシャンから劇場版の舞台となるのは大きな機械上の上だったりする。例えば今回は空の上で空を飛ぶ鉄の鳥(飛行機)の中を舞台にして、次回作の水平線上の陰謀では海の上、海洋パニックものになり船の中が舞台になっている。

ちなみにその後の劇場版でも改めて空を舞台にしたり海の上を舞台にしている。天空の難破船と絶海の探偵である。この作品の良いところは緊迫感が非常に伝わるところだ。どんな作品でも飛行機の緊急着陸とかは危機迫るだろう。それからやはりさずエピソードというか複数の要素を交えて作られている作品なので観客はそこまで飽きないと思う。まずは名探偵コナンと怪盗キットの対決が描かれており、その中に服毒殺人事件が挟み込まれ、大まかに繰り広げられる飛行機パニックが土壌にあるためだ。しかしながら推理物としてはやや弱い感じがする。それからこの作品化粧用具にフォーカスを当てるシーンがあるため、犯人が〇〇だと感づきやすくなる。それから怪盗キッドが工藤新一に化けてしまう分、かなり工藤新一がキッドと蘭に対してジェラシーを感じると言う面白い展開が見れるのもコナンファンにとってはたまらないだろう。お茶目ぶりが垣間見れるキット出演の作品でもある。

それからいきなり工藤新一で登場する分、コナンが狼狽するのはかわいらしかった。これもベイカーストリートの亡霊のように、あらかじめ犯人が誰だかわかると言う古畑仁三郎形式で、あらかじめ怪盗キットが誰に変装しているかわかるような設定でもある。そしてキッドと蘭を2人きりにさせたくないため、コナンがめちゃくちゃだだをこねる場面は衝撃的である。笑いの要素は完璧かなと。わりかし手に汗握る作品でハラハラドキドキものが好きな方にはお勧めできる劇場版コナン作品だと思う。それにしてもこの作品は実際の飛行機の着陸システムの情報が学べる作品でもある。本当にダイ・ハード系のハリウッド映画青山剛昌さん好きなんだなと思わされる。しかも警棒の長さが少し長いからといってすぐにバレたり、警棒が各都道府県で決められている長さ重さがあると言う豆知識まで教える作品である。

それからこの作品のコナンのテーマ曲が流れるところがすごくかっこよくて、オールサックスの場面はしびれるほど素晴らしい。それからキッドが毛利蘭の声でコナンにヘリコプターを止める屋上で早く食べないと覚めちゃうよーと言うところをキッドの顔に合わせてセリフを言うのもすごく印象的。それからコナンが落下して麻酔銃をウとうするときのキットの焦る顔とかすごくいい。しかもハングライダーにはパラグライダーと言う作戦も最高すぎる。それでも怪盗キッドのが上手っていうのがねーむかつくところよ(笑)。確かこの作品で名探偵コナンの劇場版のVHSが最後の発売になったと思う。これでもDVDが先に発売してその半年後位にVHSが発売すると言うよくわかんないシステムなのはなんでだったんだろう?なんで同時発売じゃないのだろうと当時思っていた。

しばしばコナンの作品の犯人の殺害動機があまりにもクズっぷりなのは有名だが、この劇場版の犯人もその1人だろう。しかし犯人がわかってからこの作品の本領発揮がなされる。コックピットで猛毒を味わった操縦士2名が苦しみ始め、そこからあたふたと物語が急展開していくのだから。
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