よ

いまを生きるのよのレビュー・感想・評価

いまを生きる(1989年製作の映画)
4.3
その人に出会う前と後で、人生がぱっきりと分かれる。世界史におけるフランス革命みたいなものだ。そのときを境にはっきりと、文字通り革命的に世界が変わって、それ以降のことはそれ無しでは語れない。
そんな人が私には少なくとも二人いる。先輩と同期で、残念ながらというべきか教師ではなかったーーけれど、この映画のロビン・ウィリアムズのように、閉塞的だった私の生きかたに風穴を開けてくれた。彼らに出会っていなければ、私の人生はほんとうに閉塞して絶えていたかもしれない。今にして思えば、当時の私には”Carpe diem”という発想もまるで無かったな。

二人は真逆の性格だが、ひとつ似ていることがあるとすれば、記憶に残る人だった。あのとき何と言ったか、その答えかた、表情まで、すべてが印象的な人だった。何度でも思い出せる。私を変えてくれたから覚えているのではない、絶対に違う、ずっと覚えていられるようなことを言う人だったから、私を変えたのだ。
それをロビン・ウィリアムズの去り際に思い出した。
“Thank you, boys. Thank you.”
この、スクリーンがなくても、DVDがなくても、何度でも再生できる感じ。
私は彼らに出会えて嬉しい。感謝している。
よ