よさんの映画レビュー・感想・評価

よ

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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.0

最近は考えさせられる映画が多かったので、こういう何も考えずに観られる映画は純粋に楽しかった。テンポ感などはさすがガイ・リッチーで、正直スカッとした。漢たちの友情や義理堅さ、生命力にも痺れた。
個人の生
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大脱走(1963年製作の映画)

3.8

さまざまな気の利いたジョークはもちろん面白いのだが、なによりもスティーブ・マックィーンの二輪オフロード走行が上手すぎて笑えてくる。
後で調べたところ、二輪免許の有無にかかわらず多くの人にウケた名場面で
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イージー★ライダー(1969年製作の映画)

4.1

これがいわゆるロードムービーのはしりだろうかと調べたら、やはりそうらしい。
それを五十年後の人間に勘付かせる世界観というか、ストーリーテリングの型だけでなく空気感まで後世に伝えているのだから凄い映画で
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

3.8

『メメント』もそうだが、初期のノーランはなんとなく満たされていない感じがする。もう本人にすら出せない味だとおもう。私はそれが嫌いではない。

神のように時間軸を操り、その撮影も手がけ、アドリブすら許さ
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

5.0

破滅への転落が人を惹きつけるが、幸せなはずの結末は釈然としない。
それがこの映画のすべてだと思う。

きっとそうなってはいないのだが、それでもアイリスが幸せになっていることを願うのみ。

ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

3.7

「アメリカ人はとりあえずカーチェイスを見せとけば喜ぶ」という言説は、どうやら誇張ではないらしい。

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

他人の痛みに共感することは難しい。現実だろうが映画だろうが、そこは同じだ。
でも、リュック・ベッソンの描くキャラクターの痛みは、ほんとうに痛い。想像力をすっとばして知覚に訴えてくる。自分はこうはならな
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.7

おそらく意図してのことなのだろうが、キャラクターの人間味が演出されない。全員が預言や国益に沿って正着を打っていくだけなので、めちゃくちゃ金のかかった人間将棋を観ているような気分になる。
この人間将棋を
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.8

シリーズものの一作目とは思えぬほど取っ掛かりが無かった。
しかしIMAXで観た映像は凄かった。夜空のシーンなど、私はほんとうにこの星々を見たことがあるという気がした。
だから、ちゃんと高揚して映画館を
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ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター(1993年製作の映画)

3.7

いくつかの印象的なシーンがあって、それでチケット代の元はじゅうぶん取れる。

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

4.1

政治とか道徳とか、血縁とか結婚とか、よくわからないが、この映画のアル・パチーノの味方でいたいんだよなあ。

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.3

オッサンどもが見分けられず二度敗退したのだが、今回ついに三度目の正直で見終えることができた。
マーロン・ブランドとアル・パチーノの演技がほんとうに見応えある。服装から属性から似通ったオッサンどものなか
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恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

3.5

恋愛映画はキャストに依存するなあ。それも、彼らが上手いかどうかではなく、私が彼らを好きかどうかに。

天使の涙 4Kレストア版(1995年製作の映画)

3.5

なんというかズレていて、表か裏かも分からず社会を生きていくタイプの「ネジの外れた奴」が上手く描かれていた。面白味もなければたいして絵にもならない、ホンモノの奴だ。

ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

3.9

もし映画に詩というジャンルがあったなら、それはこのような映画になるのではないだろうか。
なにせ脈絡というものが無いのだ。美の追求だけが有る。
彼の行動の意味がわからない。でも美しい。場面の繋がりがわか
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狼たちの午後(1975年製作の映画)

3.9

テンポにもうすこし配慮すれば、立派なカルト映画になっていたとおもうが。

演技がやたら自然だとおもったら、アル・パチーノだった。

荒野の用心棒 4K復元版(1964年製作の映画)

3.8

カンフー映画とおなじで、西部劇というのは一種の様式美なのだとおもう。
その様式美の真ん中にクリント・イーストウッドが居るというのは、すごく納得できるというか、理に適っている気がする。

ハスラー2(1986年製作の映画)

3.8

スコセッシだと言われたら俄然そう見えてくる。とくにラスト。ポール・ニューマンの演技も相まって良かった。

ウォール街(1987年製作の映画)

3.8

家で父親に育てられ、社会で先達に叩き上げてもらう。これは常道のはずなのに、なぜか両方で機能不全が起こっていて可哀想だった。たとえそれが自分の選択ゆえだとしても。

孤狼の血(2018年製作の映画)

3.6

役所広司がキレてるだけで減っていくストレスがあるよなあ。
ヤクザと警察の距離感がリアルでよかった。

月曜日のユカ(1964年製作の映画)

4.0

他人を喜ばせたい、というのはほんとうに傲慢な感情だが、しかしながら健気であることは否めない。
その傲慢さで泥沼に嵌れば嵌るほど、健気だ。

「ユカ、おまえも後悔しなきゃいけねえんだぞ」

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.8

韓国っぽい。
韓国っぽいって何かというと、まず、どうすれば観客が盛り上がるのかよく分かっている。その基本を押さえた正統派のストーリーライン。自分が起承転結のどこにいるのか分かりやすく、だからあんまり退
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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

3.6

世界でいちばん分かりにくいスライドだとおもう。もし仕事でこのプレゼンが出てきたらと想像すると、ちょっと笑えてくる。
でも観てはいられるのだから、美的感覚とは偉大である。

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.3

ただタクシーを運転する、あるいは乗車しているだけなのに、緊張感が途切れない。
単なる運転手や乗客にすぎないのに、まるで世界に一人しかいない運転手や乗客であるように見える。

(1985年製作の映画)

4.3

品のいい生きかたというものを考えさせられた。

いまを生きる(1989年製作の映画)

4.3

その人に出会う前と後で、人生がぱっきりと分かれる。世界史におけるフランス革命みたいなものだ。そのときを境にはっきりと、文字通り革命的に世界が変わって、それ以降のことはそれ無しでは語れない。
そんな人が
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.0

幼少期の私には、こんな大人は居なかったな。もっとも、仮に出会えていたとしても、その温かさや優しさを受け止めることはできなかっただろうが。誰かに優しくされたとき、ちゃんとその相手に愛着が湧くって羨ましい>>続きを読む

心のカルテ(2017年製作の映画)

4.0

リリー・コリンズの体型は役者魂などではなく、現実である。彼女は元摂食障害で、だからこそこの映画のオファーを受けた。そして本作の撮影により、克服したはずの摂食障害は再発した。
そこまでして撮ってくれたと
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ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版(1980年製作の映画)

3.9

『陽炎座』や『夢二』と比べると、『ツィゴネイゼルワイゼン』の基礎知識が少ない、というかサラ・サーテのツィゴネイゼルワイゼンを聴いていたところで何の助けにもならないため、すこし集中しきれなかった感がある>>続きを読む

夢二 4Kデジタル完全修復版(1991年製作の映画)

4.1

『陽炎座』もそうだったのだが、とにかく、解釈一致なのである。『陽炎座』は想像どおりの泉鏡花だったし、こちらの『夢二』も絵や小説から想像していたとおりの夢二なのだ。まったく驚く。

陽炎座 4Kデジタル完全修復版(1981年製作の映画)

4.5

泉鏡花を読んでいるとき想像していた情景そのままでびっくりした。
異なる読者に同じものを想像させる泉鏡花が凄いのか、それをフィルムへ完璧に焼きつけた鈴木清順が凄いのか。おそらく両方だろう。

配役も昭和
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ガザ 素顔の日常(2019年製作の映画)

3.7

ドキュメンタリーはこれに尽きる。
「わかりやすく、ありのままに。」
「わかりやすく」はともかく、「ありのままに」というのは難しい。信念がなければドキュメンタリーなど撮らないが、信念があるほどフラットに
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カラーパープル(2023年製作の映画)

3.5

結末の分かっている物語を見つづけるには、根気がいる。
だから制作陣は派手なアクションや小粋なユーモア、凄まじい美人や魅せる演技などを用意するわけだ。歌やダンスもその一つといえる。
この点から評価すれば
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