早紀

いまを生きるの早紀のレビュー・感想・評価

いまを生きる(1989年製作の映画)
5.0
初めて観たのは作品の中の彼らと同じ高校生の時。当時それまで興味が無かった映画を少しずつ観始めたばかりでしたが、たまたまこの映画を観て自分でも信じられないくらい泣いて。泣いて泣いてずっと泣きました。ベスト作品の一つです。

あれから色々と映画を観て、数々の素晴らしい映画に出会って怒ったり泣いたり笑ったりして様々な感情の経験をしてきましたが、ここまで感情を揺さぶられた作品も無いです。本当に心からこの作品に出会えて良かった。私はまだ24歳になったばかりですが、これから先こんなにも素晴らしい映画との出会いはあるんだろうかって思うくらい。

自分が4月から新しい道に進むに当たって今回また観てみました。ニールの件は分かっていたのでじっと耐えていたのですが、最後、皆が机の上に立ち上がった瞬間自分の中の糸のようなものがぷつんと切れて勝手に涙が溢れ出しました。やっぱり駄目だな、これを観ると自分の感情の全てが崩壊して流れていってしまう。

ニールの父親のような毒親は世の中に一定数いるのだと思う。彼がやっていることは心理的虐待。子供は親の所有物では決して無いし、言うことを何でも聞くロボットでは無い。子供には子供の個性があり、一個人なのだから子供が生きたい道に進ませてあげるのが親の務めなのではないでしょうか?

何でも子供の言う通りにさせてやるのも勿論違いますし、時には反対するのも親の愛情なのかもしれません。親には親の考えがあるのでしょうから。けどこの父親はあまりにも酷すぎる。自らの支配によって招いた悲劇的な結末の理由も分からず他人のせいにするなんて。

厳格で抑圧された全寮制男子高校に現れたキーティング先生。彼の教えは確実に彼らの心に響いたし、卒業後の彼らの人生は輝くはず。私はまた何度でもこの作品を観て、その度に泣くんだろうな。

カーペディエム、seize the day 、いまを生きる!
早紀

早紀