ゆず塩

ガメラ2 レギオン襲来のゆず塩のネタバレレビュー・内容・結末

ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

【一言あらすじ:宇宙から落下してきた謎の怪虫『レギオン』と植物に対応する人間達。レギオンを止めようとガメラもやって来て、人間と一緒に戦う。】

【あらすじ】
ギャオスとの戦いから1年後。北海道に隕石が落下して、オーロラが出たり、ガラス瓶や光ファイバー網が消えるなどの怪現象が多発。
隕石落下5日後に電車を謎の生物が襲い、その正体が明らかになる。

宇宙から来た植物と生物が非常に危険な物とわかる。人間側の対処が後手後手になっている所にガメラがやってきて植物を破壊。危機を回避する。
宇宙生物はレギオンと名付けられる。

レギオンは、仙台へ向かい草体を発芽。レギオンと戦うガメラだが、レギオンの方が巨大で敗北。ガメラは、満身創痍の体で草体を破壊するが草体が爆発して活動を停止する。

レギオンは東京へ向かう。レギオンを迎え撃つ自衛隊。しかし、人間の兵器は通用しない。
ガメラは、子供たちの祈りで復活。その際、浅黄(1で登場)の勾玉が砕けてしまう。

レギオンと戦うガメラ。ガメラをサポートする人間達。
ガメラは、パワーアップしてレギオンを殲滅する。

数日後、「ガメラは何故現れたのか」と話す穂波と帯津。ガメラは、地球の守護神ではないか。もし、人間が地球環境を破壊しつづけたらガメラは人間の敵になるんじゃないか。そうはなりたくない、と話していた。

【テーマ:宇宙生物との戦い】
宇宙生物との戦いを描いているだけのように感じたかな。ラストの、人間が地球環境を破壊し続けたらガメラは敵になるかも、みたいなセリフもテーマっぽいけど全体を通してだとそんなにハッキリしてないし。物語の締め方としてはいい気はするが。

【好きな点】
・発電所のシーン。帯津さんが「緊急回線でいたずらする度胸なんてないよー!」とか言ってるところとか、根性無しのように見えて残念な感じがいい。でも、発電所で電気止めようとする職員を止めたり……キャラのバランスがいいっす。
で、小型レギオンに襲われた2人を助けに現れる渡良瀬さんも良い。拳銃一丁で立ち向かう姿、カッコよすぎでしょ。小型レギオンと戦う人間の描写が無かったから映えたのかな。あと、クライマックスで、ピンチだし。いや、カッコよかった。

・花谷が帯津に「終わったら奢らせてください」って言うのも印象深い。いいセリフ。

・レギオンが怒った時の赤い触手かっこいい。あれはどう撮影してるんだ?ラストで、とっておきが来たみたいで良い。
あと、レギオン強すぎでは。ガメラが小型レギオンに囲まれた時もかなりピンチだったし。巨大レギオンは、ガメラよりかなりデカいし。ガメラのピンチ感、絶望感はすごかった。最終的に謎の超パワーアップはどう解釈すればいいかわからなかったけど。

【個人的な作品の印象】
<好きじゃない点>
・前半がまだるっこしく感じた、かな。レギオンが徐々に侵食している描写はしっかりしているけれど……人間が何もやってないようにみえちゃうから、退屈に感じたのかも。レギオンが電車を襲う所とか、怖いのだけど物語が前に進んでいる気がしなかったのかな。人間が何をどう対策しているとか見た方がワクワクして見ていられそう。

・自衛隊がすぐにガメラを助けないのがもどかしい。「どうせガメラに助けてもらうんでしょ? ガメラを助けることに、何躊躇ってるの?」って思ってしまう。頭では自衛隊がすぐにガメラを信用できないのもわかってるけど、「ガメラが倒すんでしょ?」ってのが頭にあってまだるっこしく感じました。
人間がガメラを信じるかどうかの過程をみたいわけじゃない。というか、ガメラ負けたら人間側も終わりなんだから迷ってる場合じゃないじゃん。ガメラピンチなんだよ、わかってる。……などと思ってしまうんですよね。

・突き詰めると、どうしても「まだるっこしさ」「もどかしさ」を感じていた……か。ガメラが弱い、というのが好きになれないというか。それに、人間だったら努力して強くなって勝利する、ってことも出来るけど怪獣だからそれが出来なくて。人間と怪獣のコンビ感が上手く作用したらもっと楽しそうなんだけど。

<その他>
・地球環境とかが出てくるあたりが、年代を感じる……。当時の創作界隈でのトレンドですよね。現実世界では今も問題なんだけど。

・レギオンは、ギャオスやガメラみたいな地球生物って感じがしない造形ですね。宇宙生物感。

・『1』もそうだったけど、ヒロインが専門家・アドバイザーポジションになることで物語に絡んでくる形式なのね。うろ覚えだけど『シン・ゴジラ』だと、巨災対というグループにして色々な人が係わる形式にしてて……。だから、『シン・ゴジラ』は個人間の恋愛ドラマとかが生まれづらくなってて、個性強めの変人集団として描けたのかなー、なんて思ったり。
人それぞれ好き好きはあると思うのですが、『シン・ゴジラ』の方がワクワクして見ていられたのでどうしても比較してしまう。

・帯津役の吹越満さんの演技とか声が結構好きです。
ゆず塩

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