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江分利満氏の優雅な生活のunknownのレビュー・感想・評価

江分利満氏の優雅な生活(1963年製作の映画)
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ごくありふれた冴えない戦中派サラリーマンがひょんなことから小説の連載をすることになり、その執筆に従って半生を振り返る。
会社では疎まれ、健気な妻と喘息持ちの息子と住む小さな社宅に帰り、ローンで家電を揃え、病気の父の医療費を払い、鬱憤晴らしで週に一度は飲み過ぎる。
「なんか面白くない、面白いことないか」と本人がおっぱじめるのは”普通のサラリーマン”だからであって、でもだからこそ面白い(ウン十年も経っていると当時の平凡は時代をあらわす具体的な一部として成り立つのが標本みたいだと思う、どんな人にも真も偽もあってそれが丸ごと尊い)
途中の展開で原作者の山口瞳の人生が重なることや、役者を似せているのが妙に凝られていて良かった。他作品観てないけどシーンの構成とたまに入るアニメーションも斬新でいいなと思った。ただお願いだから後半の後半をなんとかしてほしい。
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