途中まで全員悪人のノワールっぽい内容ぐらいに思って見ていたら、最後の1/3で意外な展開。特にクライマックスはいかにも増村作品な話でとても良かった(脚本は白坂・増村)。一緒に見た「試走車」よりもこちらが好き。
(ただし、この物語のパターンには名前がついていて、現代では、女性の扱いとして、あまり適切でないとされていたような気もする)
撮影は増村とコンビを組むことの多い小林節雄。「試走車」に比べると、一つのカットが長く人の動きを見せるパターンが多い。
普通、顔を動かし、映像に動きを作ることが多いけど、この作品では加東大介が目で動きを出しているところがあって珍しい。藤由紀子はアレの場面が多くて、根性を感じた。
2020/9/6「サスペンス映画の神髄」@新文芸坐
2015/5/15「よみがえる田宮二郎」@神保町シアター