とうじ

恐怖分子のとうじのレビュー・感想・評価

恐怖分子(1986年製作の映画)
5.0
尊敬とか魅了されるとかのレベルじゃなく、心の底からまじでほんまに死ぬほど愛してる映画監督はPTAとベルイマン(それぞれの、映画表現の悦楽に耽溺しながら、その利用の更新に対して敏感である姿勢に惚れる)しかいなかったが、このエドワードヤンという監督は、彼らに匹敵するくらいの魅力を持っているかもしれない。3日連続で彼の映画を見てるのだが、ちょっと凄すぎて頭の整理が追いつかない。
「台北ストーリー」と「クーリンチェ」はどちらも「他者との<安定>した関係に帰属したいという羨望と、他者への絶対的な不信感(理解し合う事に対する諦観)という<不安定>な矛盾を内面に持つ人々が、それを自覚する事で生まれる自己喪失の深淵からある程度目を背け、そうし続けようとしてふつふつと逡巡する中で、暴力(戒厳令下の台湾社会ではジリジリと暴力の気配が日常を侵食している)に無際限の可能性を見出して、突発的に他者との関係において取り返しのつかないことをしてしまう」という物語であるが、本作はそのベースは同じでも、全く違うテイストでアプローチをとっている。
演出面、脚本、カメラワーク、全てにおいてエドワードヤン監督凄すぎる。
あーやば。
とうじ

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