今年初めもニュースになったChildish Gambino(「 This Is America」)に、デトロイトのヒップホップにフォーカスを当てた『8 Mile』と、米産音楽カルチャーってのは、曲の濃度が高い印象。そこに流れる血は黒くって、こびりついてる泥は深い。ようするにキラキラメイクがまったく通用しない世界で、それが日本と異なる魅力を備えてるから興味深い。今回配信サイトで見たドキュメンタリー『RIZE ライズ』も然り。ハッキリ言ってすさまじいという言葉が相応しい。
ダンスはサウスセントラルの皆にとっては強い武器で、その威力やメッセージは銃よりおそらく強いと見た。暴力は憎しみしか生み出さないと語ったように、如何にダンスが彼らにとって大きな意味を持つかも感じた。
特に一番響いたのは最後に発したこの台詞。
"限界は空だ。つまり限界はない"
見たらダンスに情熱を注ぐ彼らにきっと憧れるよ。
ただ難点を挙げるとしたら、案内役が欲しかった。クラウン(道化師)に扮装するトミー・ザ・クラウンがそうだと思った。ただ彼の出番自体が主役級というわけでなく、あくまで「クランプダンス」に関わる重要人物の一人の位置づけ。なので時々視点や主題がぼやけそうに見える気がして、そこは正直残念だった。けどダンサー皆は素敵。
惜しいところはスッゴくあるけど、両手に力が入っちゃうほど、激しいドラマに満ちてました。
また時間が確保できたら、拝見したいと思います!