うまお

ロスト・イン・トランスレーションのうまおのレビュー・感想・評価

4.2
【2023/12/12 2回目鑑賞/スコア3.5→4.2】
2年前の初鑑賞時は刺さらなかった。
でも改めて見返したら、ビル・マーレイ&スカヨハ視線から見える、ファーイーストな日本の異質さが日本人である僕にも深く伝わって、彼らにとても感情移入させられ、なぜか母国なのに異国に連れ来られた感覚になって。すげーなソフィア。

じゃあ、言語の通じるお互いのパートナーなら正しくコミュニケートできてるかというと、全然そんなことなくて、むしろ通じ合えないことのストレスが強くて、ここで『ロスト・イン・トランスレーション』に近いものが起きているのが本当に上手いなぁ、と感じた。
あとは1回目の感想に近い。
この状況で異国のトーキョーだったからこそ惹かれあった二人の物語。
この関係性もより1回目よりも理解できたのは自分がちゃんと人生経験積んだからなんだろうなぁ、と思った。

【1回目】
僕が上京する前の東京が映ってた。
見慣れたはずの景色なのに20年違うとやっぱりどこか違って見えて、自分自身も異国に来た気持ちになれた。

たぶんあの2人は、根っこに閉塞感を抱えてなおかつ、馴染めない国で馴染めない環境で出会ったからこそ一瞬通じ合えた。
雑音だらけのラジオだけど、一瞬だけ電波が通じて、そこから聴こえてきた音楽がとんでもなく良い曲だった。もう2度と聞けない、何の曲かもわかんないけど、歳とってもずっと覚えてる、みたいな。
...うーむ...我ながら抽象的な感想だな、w

多分、母国で出会ってもあんな風には通じ合えなかったはず。異国マジックが紡いだ関係。

最後の街中で抱き合うシーンが、全然キレイじゃない、新宿のゴミゴミした場所だったのが、逆に2人をキレイに見せていた。
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