MagnifyCoffee

ロスト・イン・トランスレーションのMagnifyCoffeeのレビュー・感想・評価

4.8
初めて観たのが12歳の頃で全く映画の良さが分からずポカーンとした。

そして18歳で見なおして、再びポカーンとした。

そして21歳で3回目の鑑賞で泣いてしまった。

それは、僕が留学をした後だから共感出来る部分があったのかもしれない。

外国の地で人と出会い、
この街や景色には2度と出会わないかもしれない・・・
そんな記憶のどこかで残っている虚しさや、ぼんやりとした感情が映画とリンクするような感じ。


とにかくセリフが少なく、ドラマ性に欠ける展開は「これがオスカー作品?」という意見が9割かもしれない。

もっと色々描けるのに、ここでもっと泣かせられるのに…

「もっと〜できたのに」という意見が溢れてしまうのも納得。

でも映画の”空白”を埋めるのは観客自身の経験や記憶だと思うんです。

自分の経験や感情で映画を”自分なりに消化”する感じ。

これが出来た瞬間にこの作品の凄さと質の良さに圧倒されるはず。

駄作にもなるのに、宝物にもなる貴重な映画だと思っています。

こんなに退屈で、空っぽな内容なのに、自分の心の足りない部分、説明できない感情を埋めてくれる作品は他にはありません。

Blu-rayで買って2ヶ月に一回見るのが日課になりました。

人には勧めないけど「分かる人ならわかる」作品。
ソフィア・コッポラは天才です。
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