初めて観たのが12歳の頃で全く映画の良さが分からずポカーンとした。
そして18歳で見なおして、再びポカーンとした。
そして21歳で3回目の鑑賞で泣いてしまった。
それは、僕が留学をした後だから共感出来る部分があったのかもしれない。
外国の地で人と出会い、
この街や景色には2度と出会わないかもしれない・・・
そんな記憶のどこかで残っている虚しさや、ぼんやりとした感情が映画とリンクするような感じ。
とにかくセリフが少なく、ドラマ性に欠ける展開は「これがオスカー作品?」という意見が9割かもしれない。
もっと色々描けるのに、ここでもっと泣かせられるのに…
「もっと〜できたのに」という意見が溢れてしまうのも納得。
でも映画の”空白”を埋めるのは観客自身の経験や記憶だと思うんです。
自分の経験や感情で映画を”自分なりに消化”する感じ。
これが出来た瞬間にこの作品の凄さと質の良さに圧倒されるはず。
駄作にもなるのに、宝物にもなる貴重な映画だと思っています。
こんなに退屈で、空っぽな内容なのに、自分の心の足りない部分、説明できない感情を埋めてくれる作品は他にはありません。
Blu-rayで買って2ヶ月に一回見るのが日課になりました。
人には勧めないけど「分かる人ならわかる」作品。
ソフィア・コッポラは天才です。