荒野文京

切腹の荒野文京のレビュー・感想・評価

切腹(1962年製作の映画)
3.6
リメイク作品「一命」鑑賞後に観た。異なるタイプの作風に驚く。「一命」は武士の世を恨むような主人公だったのに対し、オリジナルは主人公が自らを含む武士の世の形式主義を皮肉るような感じで、滑稽さも漂う。全編を漂う緊張感は「一命」の方が上回っていたが、こちらは会話劇、セリフで物語を展開させるような内容だった。
本作は仲代達矢、三國蓮太郎、丹羽哲郎、岩下志麻ら日本映画界の大物俳優が勢ぞろい。武満徹の音楽も素晴らしかった。同じく日本を代表する作曲家、坂本龍一が「一命」の音楽を担っていたことがなんとも印象的だった。
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