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百年恋歌のimpreのレビュー・感想・評価

百年恋歌(2005年製作の映画)
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第1話「恋愛の夢」、春子という女を探してビリヤード屋に来た張振が、春子の代わりに店の娘になったスー・チーと恋に落ちるって話なんだけど、一つ一つの細かな出来事がとにかく面白い。どんどん二人が仲良くなってく様子を望遠長回しで撮っていくんだけど、時折カットが割れてクロースアップになったり切り返したりするのが感動的。長回しだからその場の雰囲気が伝わって面白くなると思われがちだけど、実際は起こってる出来事の面白さとそれを捉えるカメラの繊細さに多くを負っているってことを思い知らされる。『戀戀風塵』からそうだけど、侯孝賢はワンシーンワンカットの良さとモンタージュの良さのいいとこ取りに成功してる点で世界最強の映画作家と言えるかもしれない。船に乗るシーンとかで普通にカメラを動かしてるので、侯孝賢特有の「硬さ」が薄くなってるのもいい。「恋愛の夢」だけだったら侯孝賢ベスト級。
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