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座頭市鉄火旅のtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

座頭市鉄火旅(1967年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

水前寺清子の歌謡映画のおもむきもありつつ。てなもんや三度笠の藤田まこと。そして当時。万七親分でやはりお茶の間の人気者だった遠藤太津朗と。ゲストも盛り沢山のまさに司会勝新バラエティーショーさながらのイベント回。こういう回に限って座頭市哲学にかかわる程の根本設定抵触がありがちなのは007男はつらいよなど名シリーズの不思議。今作も東野英治郎の大名演で市の堅気化や仕込み杖の秘密が重厚に描かれ。以後のシリーズ後半作に多大な影を落とすことになる。スペースコブラのサイコガンも市の仕込み杖のモチーフらしい。それにしても見えない目を凄く見えるように改造された超能力サイボーグヒーローではなく見えない目はそのままで人斬りとしての改造がなされてしまったようなサイボーグとしての座頭市。その改造に不具合がきてしまう。またさらなる人斬りサイボーグに今回。脱皮してしまうしかない皮肉。それにしてもおやっさんの新刀の斬れ味を試すというより信頼しきったような樽ごと畳ごと戦法。哀しくも爽快。ホント。ヒーローも楽じゃないのです。深いです。それはサイボーグ009たちに施されたのが人種を変換する改造手術じゃなく。闘うチカラ。差別は科学医学では克服できないというセツナサ。
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