座頭市鉄火旅の作品情報・感想・評価

座頭市鉄火旅1967年製作の映画)

製作国:

上映時間:93分

ジャンル:

4.1

「座頭市鉄火旅」に投稿された感想・評価

勝新太郎の座頭市を初めて見たのがこの作品。

渋い。
渋すぎる。なるほど、かっこいいと思わされる映画だ。

座頭市は絶対に負けない。
強すぎる。
いわばマーベルでいうサノスだ。
DCでいうスーパーマンだ。
これは立派なヒーロー映画と言えるだろう。
日本はこういうヒーローをもっと作ればいいのにと思った。

座頭市のスキルはご存じ居合い斬りだ。
逆手にもった仕込み刀でバッサバサと人を切る姿は、まさにスーパーマンやサノスのようだ。CGのない時代の「工夫」で撮られた殺陣はこれまた見ていて面白い。

また、剣をしまっている間のストーリーにも注目してほしい。
緊張感がヒリヒリと伝わるシーンもあれば、おどけたり、賭博の裏をかいたりとお茶目なシーンもあり、飽きない。

この作品単体で見ても何の問題もないと思うので、気軽に見てはいかがだろうか。
Hagiwara

Hagiwaraの感想・評価

3.8
勝新の「座頭市」を初めてみました。本作はシリーズでも中盤で油ののった頃のようで、市の非情な感じや可愛さなど、勝新の演技、殺陣がイイです。 多作な本シリーズですが、製作時期を見るとすごい短期間で撮影されています。パンツに覚せい剤のイメージでしたが、彼が大スターだったのもうなずけます。
hepcat

hepcatの感想・評価

-
初座頭市
なぜこの作品を一作目に選んだのかはわからないけどさ

勝新やっぱりすげぇ
というか不思議な男だな

何かの情熱に突き動かされた時には刀を抜く抜く殺しまくる

殺陣の速さ半端ない
全然見えない

このレビューはネタバレを含みます

 座頭市の仕込み杖が「残り1人斬ったら折れる」となっちゃって、それを機にカタギの世界に戻ろうとするけど案の定それは許されない方向に行く話。

 座頭市の武器である仕込み杖があと1人しか斬れないというカセが提示されて、どうやって戦うのかという面白さで引っ張る構成なのが座頭市シリーズでは珍しく面白い設定でした。夢の中で斬られる座頭市という面白い映像も見られます。
 いつも通り悪徳親分をやっつける展開ですが、ニュー仕込杖でスピード感いっぱいで敵をやっつけるクライマックスはカッコよくてプログラムピクチャーでこのくらいのクオリティなのが良い時代だなぁと羨ましい気持ちで見てました。

 座頭市の仕込み杖を作った刀匠の弟子に仕込み杖を預けて、平和に暮らそうとするけどお世話になる場所で悪い親分たちが座頭市がお世話になる人たちを困らせるんで座頭市、仕込み杖がないのにどうやって戦うのか? という面白さ。
 そしてクライマックスでありえないスピードで動く主人公という面白いエンタメでした。
チェケ

チェケの感想・評価

4.0
久々に座頭市のユーモラスな言動が見られる作品。脇役が手堅い演技で楽しませてくれるがやはり藤田まことは出色の演技。刀鍛冶の親父と市の交流も良い。その交流あってこそ最後のカタルシス。
シリーズ第十五作。あと一回斬ったら仕込み杖が折れてしまうという話は面白いけれど、そのくだりが案外あっさり済んでしまうので残念。一方市のコメディ描写が面白い。旅籠にすんなり溶け込んでしまう一連の場面が特に好き。脇役が充実しているのも良い。
シズヲ

シズヲの感想・評価

4.3
「市が訪れた町で騒ぎに関わり、悪どいやくざを叩き斬る」という大筋自体はこれまでの話と然程変わらないんだけど、特殊な状況と手堅い構成のおかげで十二分に楽しめる。

仕込み刀の限界というシチュエーションが加わることで居合に制限が生まれ、シリーズ恒例のやくざとの揉め事にもある種の緊張感が生まれているのが上手い。かといって過剰なもどかしさがある訳ではなく、いっつぁんの凄みのおかげですんなりと見ていられるのも良い。刀鍛冶との交流で伏線を張っていたおかげで、終盤にいっつぁんが新たな仕込み刀を手にする流れもしっかりと納得できる展開になっている。あと、摘まみ食いや踊りの場面などいっつぁんのユーモラスなシーンもちらほらあったのが好き。

終盤に訪れた雪景色の中での殺陣も工夫を凝らしていて良かった。いっつぁんの満を持した居合はカタルシス抜群だったし、敵も対いっつぁんの戦術を編み出して対抗していたのが面白かった。作中に渡って卑劣な憎たらしさを発揮していた敵の親分も悪役として申し分無く、それだけに最後にいっつぁんに斬られた時のスッキリ感も素晴らしかった。

仕込み刀が使えないということもあり、一度は堅気に戻ることも考えたいっつぁん。だけど彼はやくざで、結局誰かを斬ることになるっていう哀愁は相変わらずグッと来る。余談だけど、『兇状旅』でいっつぁんの仕込み刀を普通に折ったおたねさんの男は何だか凄い。
Catman

Catmanの感想・評価

4.0
十分面白いんだけど些か物足りないカナーという印象。完成度が高く全体的によくまとまっている分、印象に残る傑出したシーンが無いと言うか。

この娯楽シリーズに理屈っぽい突っ込みは野暮だと分かってはいるけれど、座頭市ビギナーの私はどうしても色々と気になってしまう箇所が幾つかあります。市の仕込み刀が、あと1人斬ったら折れてしまうと言う設定はあまりに漫画的と言う気がするし、超人的な感覚の持ち主である座頭市が、人に指摘されるまで自分の刀の変調に気付かないと言うのも腑に落ちない。樽に閉じ込められてゴロゴロ転がされるシーンで『バカヤロウ!俺には回る目が無ぇんだ!』って決めゼリフも、いや三半規管がおかしくなるでしょ…って思ってしまう。酒の席で市がコミカルに踊るシーンも、目が見えないのにどうやって振り付けを覚えるのよ…とか、市が寝ている間に見る夢をハッキリしたビジュアルで見せてしまうとか、この辺は本作に限った話じゃないんだけど、座頭市が盲目であることは作品の世界観の根幹なので気楽にスルー出来ないのであります…

キャスティングは今回も振るってます。天才・勝新は言わずもがな、脇を固める役者が素晴らしい。先ず東野英治郎、芝居がホントに味わい深くて、声も良い。流石です。コメディリリーフの藤田まことも達者。眠狂四郎シリーズの常連・藤村志保はここでも凛として美しく、安易なロマンスに流れないのがイイ。春川ますみの艶っぽさもスパイスが効いてます。でもって私が選ぶMVPは『あばれ凧』に続いてやっぱり遠藤太津朗で、この人の演じる悪人は下衆であれば下衆なほど魅力的。見下していた按摩が実は座頭市だと分かった瞬間にコロッと態度を変えるあたりは最高で、あまりにも分かりやすい卑しさに笑ってしまいます。

クライマックスになって唐突に夜に雪を降らせる演出はあざといなーと思いながらも、映像的な美しさと勝新のキレのある殺陣が相まって見事。ラストシーンで見せる黄金の光に浮かぶ座頭市のシルエットが非常に美しく印象に残ります。天晴れ👏🏻👏🏻👏🏻
座頭市シリーズ15作目。じっくりと構図を練って撮られた映像と、個性的な登場人物をバランスよく配したムダのない構成はまさに職人芸といえる。「そちらさんがお抜きになるってえと、こちらさんもお抜きになりますよ」というユーモア、ラストで市が去っていくマジックアワーをとらえたカット、藤村志保のヒロインや、東野英治郎や藤田まことのゲスト出演、どれもストーリー進行の邪魔にならず無駄にならない調度よさ。
ストーリーそのものにはさしたる変化はなく、旅のあんまがやたら強いという毎度お馴染みの展開だが「仕込みがあと一振りすると折れてしまう」という仕掛けの面白さでここまで観客を引き付けるテクニックは、どんな映画でもみれるものに仕上げてきた安田公義監督のウデのたしかさだ。さらに、脚本にクレジットされている笠原良三といえば、植木等の一連の主演作品群や若大将シリーズなどを手掛けた名うての脚本家。観客は重厚な時代活劇でなく明朗快活なチャンバラを期待しているのだと割り切って、大衆のニーズに応えられるようプログラムピクチャーの職人を集めて作られたのだろう。
シリーズも15作まで続くと居合い斬りのパフォーマンスはかなりインフレしており、また敵も用心棒を何人も雇うなどして万全の体制で迎え撃つのだが、これだけ準備して待ち構えているのに、仕込みの業物が市の意思を超えてオートパイロットで勝手に動くかのような居合いの前に、チンピラも侍も為す術なく死んでいく。樽も、桶も、畳も、一刀のもとに両断する新調された名刀のあまりの切れ味に笑ってしまう。
悪人は悪人らしく、善人は善人らしく、シンプルなドラマ。殺陣の完成度、勝新の身のこなし、すばらしい。
>|