Mayashico

ロボコンのMayashicoのレビュー・感想・評価

ロボコン(2003年製作の映画)
4.5
古厩監督が長澤まさみをとことん信じてるのが伝わってくる。ファーストショットの怠惰な表情のすさまじさ。台詞と被写体のリズムを一切ずらさない正面切り返しのあっけらかんとしたテンポにも度肝を抜かれるし、高専ロボットの挙動がもたらす、いぢらしいリズムも最高。例えば『パラダイスの夕暮れ』のゴミ収集車や『ドッペルゲンガー』に登場したロボットのように、無機質な物体が放つ健気な生命力みたいなものが映画に与える、のろのろとした呼吸が無性に好き。PACIFIC 231のサントラとの親和性も絶妙。DVDの特典に収録されている未公開カットでさえ、どれもこれも秀逸で、特に長澤まさみとうじきつよしが自転車で並走するショットなんかは本編にも挿入されなかったことが惜しいほどよかった。長澤まさみが口ずさむ「夢先案内人」と吹奏楽部が演奏する「蘇州夜曲」がどちらも「船」に関する曲だということは、彼女たちが飛行機でも車でもなく、フェリーに乗って全国大会へと向かうことと何か関係があるんだろうか。
Mayashico

Mayashico