岩場で身動きが取れなくなった登山家の話。
冒頭はスタイリッシュな雰囲気で始まるので、そんなに大ごとではないのかなとすっかり油断してました。
ホラー映画などとはまた全然違う怖さがあります。ホラーは「映画の中だけ」という安心感のもとで怖さを楽しむことが多いですが、こちらは自分の身にも起こり得る怖さがあります。終始緊張感がすごかった。
自由に飛び回る鳥、広い大地、抜けるように青い空など、雄大な自然の描写が美しい。一方で、その雄大さとの対比で主人公の置かれた境遇がさらに残酷に感じられます。
127時間というと5日間ほど。最初の1日が過ぎるだけでも長く感じたのに、とても後4日間もどう過ごしていくのか想像もつきません。
映画のラストの方で思わず大きく息を吐き出しました。主人公と一緒に必死にもがいて、必死に逃げ回っていたような感覚があったんですが、実は主人公は身動きが取れないので逃げ回ってはいないんですよね。正確には一歩も動いていない。
そんな究極のワンシチュエーションを単調にならずここまでの作品に仕上げたのは、監督の手腕と、ほぼ一人芝居のようなジェームズ・フランコの演技。
以下ネタバレあり
最後、ようやく人に助けを求め助かりそうだとわかった瞬間、安堵とこれまでの過酷な状況の恐怖からか自然と体が震えました。
それにしてもよくこんな状況思いついたなと思ったら、まさかの実話とは!