ザギッ

エヴァの匂いのザギッのレビュー・感想・評価

エヴァの匂い(1962年製作の映画)
1.0
非常に評価がむずかしい映画である。
見る者がジャンヌ・モローの魅力を感じ取れるかどうかで評価が割れるだろう。

何処かのサイトで、「ジャンヌ・モローの魅力を最大限に引き出した映画である」という謳い文句に釣られて、
「モニカ・ヴィッティがちょっぴり出ていた『夜』の人?どれどれ」と見たのが本作。

ダメだ…ファムファタル?
「素直な悪女」のブリジット・バルドー、
「去年マリエンバートで」のデルフィーヌ・セリッグ、もっと遡れば、「恐るべき子供達」のニコール・ステファーヌ、「嘆きの天使」のマレーネ・ディートリッヒ…

絢爛たる美女たちのファムがファタりすぎて、その香りに慣れすぎた私の嗅覚には、「エヴァの匂い」もモローの魅力も微かすぎるのか…

エヴァは高級娼婦の設定だが、モローの演じたそれは、ファムファタルではなく、薹(とう)が立って人生に疲れたおばさんにしか見えないのだ。
タイヴァンに吐き捨てた「みじめな人ね。」のセリフは正解なんだけど、エヴァも惨めなおばさんである。

私にとってジャンヌ・モローは「過大評価されすぎている女優」である。
演技はうまいらしい。演技派女優であるらしい。共演者もあらゆる著名人も皆彼女の不思議な魅力の虜になったらしい。らしい、らしい、らしい…ばかりの実態のなさ。全部が大袈裟すぎる大ボラに見えてしまう。
彼女亡き後もその認識は変わらない。

ミシェル・ルグランの音楽や演出、スタンリー・ベイカーの表現力、ヴィルナ・リージの魅力は良かった。

ごめんなさい、ジャンヌ・モロー。
好みじゃなかっただけなの。
あと、加賀まりこは和製バルドーではなく和製モローだよねぇ。
ザギッ

ザギッ

ザギッさんの鑑賞した映画