ひげしゃちょー

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳のひげしゃちょーのレビュー・感想・評価

4.7
安城を主人公に据えた『復讐 運命の訪問者』、『復讐 消えない傷痕』、そして新島を主人公に据えた『蛇の道』に続く復讐第四弾が本作。 娘を殺した男を殺し復讐を成し遂げて生きる目的をなくし絶望した男の話。 新島夫婦は娘の幽霊を見るが幽霊はそこにはいない。釣りのシーンや菅田俊との山での追いかけっこや自動車の助手席から話しかけてくる大杉蓮とかコミカルな部分もあるがただひたすら恐ろしい。 新島が娘を殺した男を質問するこんな台詞が印象深い。 「お前、こんな話、知ってるか?。或る男がスカイ・ダイビングをした。途中で男は、パラシュートを付けていないことに気づいた。男は気が狂うほどの恐怖を味わった。そして、失神した。ふと眼を開けると、男はまだ空を落ち続けていた。もう、気が狂うことも、失神することもなかった。」 依田も岩松も皆殺されていなくなったラストに殺したはずの男が現れたのはどういうことか?新島にとってはあの男を殺した時点で自分の人生も終わっていたということじゃないだろうか。あの男以外この世に存在していないものとして捉えていたような気がする。 前作の『蛇の道』は未見なのでこの映画の意味を分かっていないかもしれないが。