Nemuiman

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳のNemuimanのレビュー・感想・評価

4.5
こりゃすげー。

たむらまさきという名キャメラマンの逝去により食卓の不可解な2ショットの画のみが一人歩きのように有名になったけれど、そのカットを含めて家の中での夫婦を映すショットはどれも不穏。
不可解な距離感に、不可解な画面の余白。
物語が必要以上に語らないどころか、何も語らないに等しいこの映画で、撮影はおぞましいほどに雄弁であった。
演出、脚本、技術、編集、それらが奇跡的といえるほどのバランスで映画を進めている。
とりわけ編集に関しては素晴らしすぎる。
意図のみを残し、意味を置き去りにするようなカッティングセンス。
いつでも最後の数フレームが次のカットに尾を引く。
Nemuiman

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