バートロー

狼の死刑宣告のバートローのレビュー・感想・評価

狼の死刑宣告(2007年製作の映画)
4.5
ワン監督マラソン中。『SAW』で衝撃のデビューを果たしたジェームズ・ワン監督が一発屋ではなく本物であることを映画界に叩きつけた快作。アメリカの幸せな一般家庭が偶然出くわした理不尽な暴力によって崩壊させられてしまう。保険会社勤務の真面目な父は次第にキリングマシーンと化して狂気の復讐に走る。そういう物語そのものは今やさほど目新しくないが、ケビン・ベーコン演じる父の変貌過程(イメチェン)、メイキング必聴のとてつもないカメラワーク(駐車場)、カタルシス満載の大殺戮(アジト)など全く褪せない魅力が詰まった映画である。復讐は何も生み出さないがスカッとする心のデトックスだ。予算に関わらず面白い作品を撮ってしまう凄みがジェームズ・ワンにはある。