ヤムチャン

コンタクトのヤムチャンのレビュー・感想・評価

コンタクト(1997年製作の映画)
3.2
SF映画と見せかけて信仰映画。
テーマは「信じること」
マシュー繋がりでインターステラーからの搭乗。1997年の作品だから、画面の粗さや当時の最新テクノロジーの若干の時代感は否めないが、宇宙を題材にしながらも人間の内面に迫るアプローチは時として哲学。

イデオロギーは見たいものを映す理念なのかもしれないという事に気付かせてくれる映画だった。ジョディフォスター演じるエリーの深層心理をヴィジュアル化することによって相容れない科学的な視点(エリー)と宗教的な視点(パーマー)を真理を求める一点において結びつけようとする試みが斬新。
エゴイスティックな人間は見たいものしか見ようとしないから、視点拡大を促すヒントを提示してくれている。
ただし、ハデンという装置はロマンティクスを現実に引き戻す資本主義精神の象徴として優しくも牙を剥いてくる。
すごく奥行きのある作品だったと思わされた。