おさる

戸田家の兄妹のおさるのレビュー・感想・評価

戸田家の兄妹(1941年製作の映画)
3.7
たくさんの小津映画を見たことがあるわけでないが、戸田家の兄弟を見てストーリーの感じは完全に東京物語を思い出してしまう。
東京物語は戦後の話で、戦後だから家族が核家族化していく様を描いているのか思ったら、すでに戦中から核家族である。
長女のちゃきちゃきぶりは、東京物語のそれと全く一緒で、こういう女ってどこでもいるなー、と合点。
建前は皆あるものの、自我を通す方が先決で、自分勝手は今の世に始まったことではないと思わせる。
天津に行く息子が、親を天津に呼び寄せる様子が昭和初期の時代背景をよく描いているのかもしれない。外地に行く兄弟だけは、からりとして、世間体を気にしない。昭和の初期には、うっとうしい世の中の打開策は、アジアの他の国々だったなのだな、と想像。
登場人物、皆性格に難を感じるものの、見た目も身のこなしもしゃべり方も美しい。
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