ケニチロー

戸田家の兄妹のケニチローのレビュー・感想・評価

戸田家の兄妹(1941年製作の映画)
4.5
▪︎行く先々でどんどん待遇が酷くなる、という後半の展開にリヴェットの『修道女』を思い出してしまった。

▪︎三宅邦子⇨吉川満子の順に小言がビルドアップされていき「……メンドクセー!!!」

▪︎「(女中に)ちょっと家族の話があるので外してくれ」から始まる佐分利信の鉄拳制裁(notフィジカル)には何度観てもワクワクしてしまう。

▪︎しかし本作の終わりの、敗戦前の「天津で一旗上げる」ことに対する凄まじい呑気さ、平山周吉『小津安二郎』では「宗方姉妹」の山村聰のキャラクターにその結果を負わせている(満州での闇を引きずり精神を病んで日本に戻って来る男)と考察している。

▪︎それにしても嗚呼!なんと爽やかな幕切れ:ラストカットなんだろう!砂浜を走り去る佐分利信!(戦前なのにヌーヴェルバーグ期の作品みたいだ)
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