トノモトショウ

戸田家の兄妹のトノモトショウのレビュー・感想・評価

戸田家の兄妹(1941年製作の映画)
3.0
当時としてはセンセーショナルな内容だったことだろう。しかし、現代の家族社会において、こういうストーリーは珍しいものではなくなっている。小津は「家族」をテーマに幾つも作品を送り出してきたが、それは「家族」という制度を擁護しているわけではなく、逆に疑問を投げかけているのである。たとえ「家族」であっても崩壊は予定されている。それにどう立ち向かっていくべきか、という問題提起だ。「東京物語」よりシビアに、我々に密着するような気がする。