【私怨】
デ、デ、デ、デ・ニーロ。😅
やはり彼にはこういうネチネチとした悪役がピッタリ合う。
巨匠、マーティン・スコセッシとのコンビ作では大して評価されていない作品みたいだがあらゆる技巧を駆使した映像表現や血生臭い暴力描写など、『タクシードライバー』程ではないが気色の悪いエンタメとしては申し分無い出来栄えだった。
クリストファー・ノーランの『ダークナイト』でのジョーカーは、正しく本作のストーカー役デ・ニーロからの頂き物。(神出鬼没の変装マニアという意味に於いても)。
それにしてもカラフルでファンタジックな映像の凝り具合や、奇抜なカメラワークなどさすがにスコセッシだけありシネフィル的趣向が全開で観ていて楽しい。オリジナル版の『恐怖の岬』というよりはロバート・ミッチャム主演のサスペンス『狩人の夜』に近い雰囲気である。
作曲家エルマー・バーンスタインのスコアが往年のヒッチコック映画のようで、監督のスコセッシはやはり古めかしいサスペンス映画を目指してるんだな〜、と観ながらしみじみ思う。中盤、学校の図書室でのデ・ニーロと被害者役ジュリエット・ルイスとのキス・シーンがどこか危険なムードを漂わせている辺りも秀逸。
ディカプリオと組んだ『シャッター・アイランド』もそうだが、スコセッシはこの手の悪夢的映像美を作り出すと天下一品だな。あのデ・パルマやポランスキー以上にアブノーマルな雰囲気があり、やはり上手いと言わざるを得ない。🤔