柏エシディシ

ケープ・フィアーの柏エシディシのレビュー・感想・評価

ケープ・フィアー(1991年製作の映画)
4.0
グレゴリー・ペック/ロバート・ミッチャムの傑作ノワールスリラー「恐怖の岬」のスコセッシによるリメイク。
ミッチャムが憎たらしく演じていたマックス・ケイディというキャラクターを更に掘り下げ、カリスマ的怪物に昇華したロバート・デニーロの役作りが狂気の沙汰。
ねちっこい気持ち悪さはミッチャムから引き継ぎつつ、どこか惹きつけれるられてしまう愛嬌を感じてしまう。ちょっとやり過ぎなぐらいのデニーロアプローチがギャグになるギリギリの面白さで大好き。
対する、弁護士サムを同じくらい善悪定まらないニック・ノルティが演じることによって、スコセッシ的テーマがより効果的に浮き上がってくるのも興味深い。
今回の鑑賞で改めて感じたのは、作劇のタイトさ、演出のキレの良さ。30年前の映画に思えない。
やはりこの頃のスコセッシはヤバい。
ソール・バス師匠のタイトルロールの不気味なカッコよさから、ケイディデニーロが颯爽と出所する開幕(背景に稲光!)
そこから一切ダレることのなくクライマックスまで走り切る。おもしろィィ。
ミッチャム、ペックらオリジナルキャストを意外な役回りで登場させるリスペクトを見せつつ、オリジナルでは添え物的だったサムの奥さんや娘のキャラクター像をアップデートしていたり、巧いわぁ〜。
個人的にはスコセッシと意識せず、リアルタイムで作品を認識したスコセッシ映画かも。
タクシードライバーやグッドフェローズは、本格的に映画が好きになったもうちょいアトに追っかけだったし。
実はスコセッシの中でも、かなり好きな一本だったかも。自分でも意外w
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