オードリー、モンローに比べて出演作が少ないグレース・ケリー。
ケリー作品はコンプリートできそう。
しかもこの年はヒッチコック作品の『ダイヤルMを廻せ!』と『裏窓』と同時期。
物語も、ある意味2人の男性と1人の女性というプロット(やっぱり50年代の流行り?)なんだけれど、
そこに妻と夫、女性と男性の関係性、スターだった者とその家族、演じることと嘘をつくこと、トラウマ的体験と墜落そして克服、といった多種多様なテーマが含まれてて、なんともハリウッドバックものにしては描写がリアル。
心理劇みたいなサスペンスが潜んでて、この作品別に殺人犯を捕まえろ!みたいな犯罪ものじゃないのに、物語展開のある時点、フランクが本音を吐露する場面になるとやったぜ!捕まえた!みたいな爽快感がある笑(一瞬だけど)
その後の展開はちょっと足早で私はびっくりしたんですが、え!今そこそうなる!?笑みたいな。
でもなんといっても、クロスビー演じるフランクの嘘と本当の演じ分け、そしてケリーの支配的に見えるけど実は気丈に自らを律して夫を支えてる妻という状況が演技で成り立たないと始まらない物語でもある。
ほんとに心理描写というか、心情の揺れ動きは50年過ぎた今でもわかるんだから、普遍性を持つ内容でもあるのかな。
周囲に対しては良い人ぶるフランクとそのために毎回悪者扱いされてしまうケリー演じるジョージー。
日常生活なら、こんなの実際にはスポット当てられること少ないんだけど、映画でこれを目の前で見るとなにかしら自分の経験に繋がってくるという。笑
オードリーとケリーはモンローに対して並列的に語られることもあるけど、ケリーが「怒れる女」をやってるのはなんか考えたくなる。
この作品の面白いところは、
衣装もイーディス・ヘッドなんだけど、最初に登場する場面から、グレース・ケリーかグレース・ケリーらしくないこと!
ん?この人ケリー…?ってなる。
特にヒッチコック作品のケリー知ってるなら、なおさら。
原題の通り、田舎の女性。
少なくとも都会的ではない。
衣装とメイクの効果。
で回想場面とラストでいつものケリーに出会えるんだけど、
ハッとするんだよねぇ。
あ、そうだ、この人グレース・ケリーだ…。って。
パールのネックレスにシンプルなドレスだけで画面の存在感あるんだよ?
それはフランクを迎えに舞台に来たときのコート姿にも感じたけど、良かった。
これはアカデミー主演女優賞取るの納得。オードリーの翌年にケリー。となると、やっぱりモンローの特異性も気になる笑