絶対昔観てる筈なのに1ミクロンも記憶に無かったシリーズw凄く面白かったってだけ覚えてた。
今回、午前十時の映画祭でうん十年ぶりに鑑賞。
ソフィア・ローレンがパニック映画で活躍しまくるのがレア。プロデューサーが彼女の夫カルロ・ポンティだしローレンの見せ場をバンバン作ったのね。
ハリウッドのパニック映画と違うのは大事故が起こるのが最後の最後ってとこ。ハリウッド映画ならポセイドン・アドベンチャーにしろタワーリング・インフェルノにしろ冒頭に大事故が起きてそこからどうやって生き残るか頑張るのが定番だけど。
世界中でコロナを体験した今だからこそ(いやコロナはまだまだ収束してないけど)面白い映画なのがこのカサンドラ・クロス。
白い防護服とかアメリカが細菌兵器を開発をしていたのを隠蔽しようとするとか千人程の乗客の隔離とか。
半世紀前に作られたこの映画は正に予言じゃんと思ってしまう。
ラストもハリウッド映画とは違って散々頑張ったのに一気に大勢死んじゃうし、生き残ったソフィア・ローレンやらリチャード・ハリスやらもアメリカによって抹殺される可能性大で「助かって良かった良かった!」とはならない。やっぱハリウッドの王道パニック映画とは全然違うしそこが良い。
ツッコミどろこは幾つかある。
ソフィア・ローレンがバッグひとつで列車に乗り込んだのに何故か列車の中で何回かお着替えしてるの謎w
最初に感染して亡くなったテロリスト、死亡してるのに瞼が動いてたw
感染して列車に乗り込んだテロリストを「ヘリから籠を降ろすからそいつを乗せろ」って言ってて結局感染した犬を乗せたけど、そもそもあの籠じゃ人間は乗せられんでしょw
ま、そこら辺はご愛嬌。
CGなんか無い時代にあのヘリと列車のアクションシーンは凄い。ラストの橋からの列車落下は今見ると流石にチャチいけど当時にしたら上出来。(それを考えたら円谷プロって神)
豪華スターをふんだんに起用したグランドホテル形式は大好物だしパニック映画でありながら舞台が豪華列車なのも好み。オリエント急行殺人事件みたい。さしずめオリエント急行のローレン・バコール辺りの立ち位置がカサンドラ・クロスのエヴァ・ガードナーかな。
立川シネマシティのトークショー付きでの鑑賞でした。本作の日本公開時は敢えて同日に隣り同士の映画館でキングコングとぶつけたそうです。
ポセイドン・アドベンチャーの劇中で流れるモーニング・アフターが大ヒットしたのに倣ってタワーリング・インフェルノでも話の内容に関係無く大衆ウケ狙いの曲を若いオネーちゃんに歌わせてましたね。そしてカサンドラ・クロスもその流れに乗っかったの何か笑うw
それでもやっぱりハリウッドとは一線を画す結末が良いのです。
今観ても、と言うより今観てこそ面白い映画です。若い方たちも是非!