はな

予告された殺人の記録のはなのネタバレレビュー・内容・結末

予告された殺人の記録(1987年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

サン・ロマンがホテルの部屋に入った時、一度ベッドに横になるシーンがあった。その時背中にできていた汗染みが次のシーンでも乾いていないことが気になった。特にその後の予定がある訳でもなさそうだったので、横になったら疲れがある程度取れるまで休憩し、その間に汗も乾くはずだ。できるだけ短時間で撮影しようとし、このような細かいところまであまり気を配れていないのは昔の映画らしいなと思った。
原作では、フローラがサンティアゴを最後に見たのは、司教をお見送りした後に朝食と今すぐ食べるのを断られた後だったとある。だが、映画ではサンティアゴが朝食を食べるために再度フローラを訪ねて来る。もし、その時にフローラがかくまっていれば、サンティアゴが殺されることはなかったはずだ。その点、原作の方がサンティアゴが殺されるまでがスムーズできれいな流れだと思った。
ここからは、フローラがサンティアゴをかくまう選択をしないというシーンをあえて映画に追加した理由について考察する。サンティアゴが訪ねてくる直前、フローラは指輪を取って投げ捨てる。これはもともと結婚するはずであったサンティアゴに別れを決意するシーンでもあると思う。当時、結婚前の女性は処女であるべきだと映画の至る所で示唆されている。サン・ロマンがアンヘラと婚約解消する理由や、夫以外と寝たことがあるかどうかでアンヘラと彼女の姉が喧嘩するシーンから予想される。だが、女性は結婚前に処女であるべきなのに、男性は娼婦と遊んでいる描写から男尊女卑の背景も感じた。自分以外と寝たことがある人と結婚するなんて考えられず、それを今まで教えてもくれなかったサンティアゴにフローラは失望し怒っていたのだと思う。殺される運命にあるサンティアゴをかくまおうとせず、見殺しにしてしまうフローラの姿から、男女不平等に少しでも抵抗しようとする様子が感じられた。原作と異なる演出により、男尊女卑の社会で生きる女性が際立ったと私は考える。

これは好き。殺される人がイケメンだから日本のポスターはその人のピン写だったらしいけどそんなに、、。授業から面白すぎてちゃんと話聞いてたから結末分かってたけどやっぱり面白かった。
はな

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