ちんたろう

悪魔スヴェンガリのちんたろうのレビュー・感想・評価

悪魔スヴェンガリ(1931年製作の映画)
4.0
作曲と催眠術の才能に恵まれたスヴェンガリ。偶然出会ったトリルビーの歌声に惚れ込み彼女が恋人と仲違いした機に乗じ連れ去っていった。5年後スヴェンガリは歌姫マダム・スヴェンガリを伴いパリに凱旋・・・

スヴェンガリ。偏屈で変人で自己中心的ではあるが馬車内でトリルビーの開けた裾を直すくらいには紳士的。彼も催眠術をかけてるとはいえ彼女に尽くし無理強いは虚しくなり諦め最期に神に彼女の愛を乞うくらい愛していたのだろう。満足はしたと思う

トリルビー半覚醒の状態でスヴェンガリの求愛は断り続けてる(尽くしても愛しては貰えないと嘆いていた)し、その代わり歌で恩返しはしてると強弁してたし彼をそれなりに利用してるようにも多少見える。悲劇のヒロインとまでは思えない

恋人の画家ビリーは彼女の仕事がモデルと知っているなら何故ヌードもあると思わなかったのだろう。自身もヌードデッサンやってきただろうに。顔だけしか取り柄のない間抜けか。エジプト公演中のニコニコした顔に苛ついた

ビリーの同居人画家二人も含め登場人物が等分に性格悪いから見ていて楽。
作られた当時と現在の価値観倫理観が違うことはわかっているがスヴェンガリそこまで悪い奴かね。古い割にテンポがよく見やすい。
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