scarface

キューポラのある街のscarfaceのレビュー・感想・評価

キューポラのある街(1962年製作の映画)
4.0
浦山桐郎、初監督作品。そして16歳の吉永小百合が主演。吉永小百合のインタビューを観ましたが、当時の本人の状況と重なる部分もあり、強く朗らかで健気な女子中学生役をとても見事に演じきっています。観てるこちらもこの吉永小百合を観てとても清々しい気持ちになりました。
キューポラとは鋳物作りの溶解炉のこと。鋳物工場が建ち並んでいた埼玉県川口市が舞台。工業のオートメーション化、大企業の躍進と中小企業の厳しさ、労働組合の存在感増、在日朝鮮人の北朝鮮帰国運動等、戦後の高度成長期における日本を見事に切り取ったなと思います。この映画は色々と議論があるらしいですが、あくまで映っているのは貧しい中でも前を向いて必死に生きようとした人々。こうした人たちの先に現代の自分たちがいるという事を改めて考えました。
scarface

scarface