ドラマパートはあの豊田四郎監督とは思えないほどつまらなかった。
フィルムの状態も悪く、コマ飛びも多くセリフもよく聞き取れなかった。

が、後半のスキーのシーンはとても良かった。
20分ぐらい雪山でのスキーシーンだった。

多分豊田監督はウィンタースポーツの映画や、山岳映画を撮りたかったのだと思う。
雪山の穴で暮らすウサギや、氷柱から水が滴るシーンなど非常に丁寧に撮られていた。
スクリーンに向かってスキーヤーが走ってくるシーンはとても迫力があった。

豊田監督は戦意高揚のプロパガンダ映画には興味がなかったのだなと思った。
人間ドラマのパートと雪山パートでは明らかに力の入れようが違った。
プロパガンダ云々というよりも、ただ良きウィンタースポーツ映画だった。

佐分利信？学生役？
遭難するところまで込みの演習なのだろうか？
猫と庄造とふたりのをんなはいわゆるルックみたいなものがかなり印象に残っていたので今回の三浦光雄という撮影監督の特集は楽しみ、今作も美しいカットや他で見ないようなカットが多い