菩薩

ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータの菩薩のレビュー・感想・評価

3.6
そうそうこれが僕らのドラゴンボールシリーズ第15弾。悟空が久しぶりに主人公に復帰、記念すべき15作目とあってかかなり充実した内容になっており、なんとあのフリーザ様はじめ過去悟空の前に立ちはだかって来た多くの敵役も友情出演、ってかここで既に「復活のF」はやってしまっている事になる。あの世でのお話である為、あちらでの最強のライバル、通称「ピッコロみてぇな奴」ことパイクーハンも出てくるが、今作のパイクーハンはほぼバトルシーンは無く、結界に閉じ込められた閻魔様を救う為に、ただひたすら罵詈雑言を吐き続ける悪口botと化している。なんと言っても今作の見所はゴジータの登場、肉体を失い魂だけになってしまったはずのベジータ(アニメ版はちゃんと肉体あったな)がいつもの様にイキリながら悟空の前に現れ、結局ジャネンバに返り討ちにされ悟空との力の差が歴然とついてしまった事実に涙を流して悔しがるシーンは「いや、前からですけど…」と冷静な判断を仰いで頂けるよう懇願するしか無いが、あの誇り高きサイヤ人の王子(笑)が、我々ですら恥ずかしくて真似しなかったフュージョンを渋々ながらも受け入れた事実に、当時の僕らは尊敬と嘲笑の眼差しを向けたものであった。敵役のジャネンバは正直ドラゴンボールつかドラゴンクエスト感の方が強いし、折角のゴジータもほぼワンパンKOで終了と物足りなさはあるが、前作の惨劇からのV字回復具合を考えれば、シリーズの中では秀作に位置するものであると思われる。ちなみにこの世とあの世のバランスが崩れ死者が次々と復活していく中で、まさかのヒトラー総帥まで復活しサタンシティに攻め入ってくるシーンが面白おかしく描かれているが、これは流石に今の時代にやったら倫理的にNGの様な気がする。ジャネンバを倒した事によりバランスを取り戻したあの世で、再び魂だけになるベジータを「またな」と見送る悟空、子供の頃はなんとも思わなかったが、今になって観ると結構このシーン泣けるな…いやまぁ泣かないけど…。「フュージョンは二度とごめんだ」と言いながら「ブロリー」で3回もやる羽目になるとは、この時のベジータ四世は知る由もなかったであろう…。
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